利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.09】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22NM0082

利用課題名 / Title

温度差不要環境熱発電素子の安定性に資するナノ粒子の構造評価

利用した実施機関 / Support Institute

物質・材料研究機構 / NIMS

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

電子顕微鏡/Electron microscopy,熱電材料/ Thermoelectric material


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

後藤 雅裕

所属名 / Affiliation

株式会社GCEインスティチュート

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NM-504:200kV電界放出形透過電子顕微鏡(JEM-2100F2)
NM-505:200kV透過電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

我々はゼーベック効果を利用した従来の熱電発電技術とは異なり,全く新しい原理に基づく環境熱発電デバイスの開発に取り組んでいる.本デバイスは温度差を必要とせず,室温付近から150℃程度までの環境熱で発電することから,その応用範囲は格段に広がることが期待される.デバイス構成は仕事関数の異なる二つの金属平板電極のマイクロギャップ間に,ナノ粒子分散体を挟んだごくシンプルな構成となっている.通常金属はナノ粒子化して一桁ナノメートル程度となると融点が急激に低下することが知られているが,デバイスの安定性,出力向上の観点から中間層に用いるナノ粒子にはデバイス使用環境温度領域における構造安定性が求められる.そこで本研究では,ナノ粒子の熱耐性向上を目的に金-パラジウム合金ナノ粒子を作製しデバイス動作前後でのナノ粒子の形態を評価した.

実験 / Experimental

レーザー誘起核生成法により金-パラジウム固溶合金ナノ粒子を作製したのち,アルカンチオールにより修飾して安定化した.ナノ粒子分散液に対してオレイン酸を添加して電極基板に滴下したのち異種電極基板で挟み込むことでデバイスを作製した.室温におけるデバイスの数日間の出力特性ならびに昇温,冷却中の出力特性を評価したのちデバイスを分解し,中間層のナノ粒子をTEM観察用のマイクログリッドに固定することで観察用試料を準備した.デバイス特性評価前後のナノ粒子の構造を透過型電子顕微鏡 (TEM,JEM-2100F2) を用いて評価した.

結果と考察 / Results and Discussion

レーザー照射により作製した直後,ならびにデバイス動作後の金-パラジウム合金ナノ粒子のTEM観察結果を図に示す.数日間の出力試験ならびに,室温から数十度の加熱繰り返し試験を行っているにもかかわらず,デバイス特性評価後のナノ粒子の形態 (右図) は,作製直後のナノ粒子 (左図) と全く変わっていないことが明らかとなった.一方,レーザー照射により作製した金ナノ粒子の場合,電子線照射によって溶融・成長することが確認されている.従って,金に比べて融点の高いパラジウムを合金化することによってナノ粒子の熱的・構造的安定性を向上できることが示された.

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


環境熱発電デバイス動作前後のAu80Pd20ナノ粒子のTEM観察結果


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究は、文部科学省委託事業マテリアル先端リサーチインフラ課題として物質・材料研究機構の支援 (課題番号JPMXP1222NM0082) を受けて実施されました


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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