【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.04.14】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22NM0051
利用課題名 / Title
CVDおよび液相法により合成した各種ナノカーボンの構造比較
利用した実施機関 / Support Institute
物質・材料研究機構 / NIMS
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
電子顕微鏡/Electron microscopy,ナノカーボン,ナノ粒子,ナノチューブ
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
山際 清史
所属名 / Affiliation
帝京科学大学 生命環境学部自然環境学科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NM-504:200kV電界放出形透過電子顕微鏡(JEM-2100F2)
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
申請者は、基板材料を液相中で抵抗加熱することで常圧・短時間のナノ材料合成が可能である「液相合成法」を開発している[1]。最近、カーボンペーパー(CP)基板の炭素繊維表面に、特徴的なひだ状構造を有する“ひだ状ナノ構造体”の構築に成功し、電極材料としての検討を進めている。本研究では合成溶液に白金錯体を溶解させることでPt担持ひだ状ナノ構造体/CPの作製を試みた。物質・材料研究機構の透過型電子顕微鏡(TEM)を利用して生成物の観察と元素分析を行った。
実験 / Experimental
炭素源のエタノール200 mLに、本研究では新たな添加剤としてアセチルアセトナト白金を適量添加し、溶液を調製した。基板にはカーボンペーパー(CP, 5×25 mm)を用い、溶液中で直流電圧を印可し、基板表面温度が950°Cとなるように調節して5分間抵抗加熱をした。走査型電子顕微鏡(他機関)および物質・材料研究機構の200kV電界放出形透過電子顕微鏡(JEOL JEM-2100F2)を用い生成物の観察を行い、またSTEM-EDSにより生成した金属ナノ粒子を元素分析した。またCP基板ごと電極に用い、メタノールを含む硫酸中において、その電気化学的なメタノール酸化特性を評価した。
結果と考察 / Results and Discussion
合成後のSEM観察から、CP表面には特徴的なひだ状構造を有する“ひだ状ナノ構造体”が見られ、さらに多量のナノ粒子の形成が確認された。TEMによる観察から、平均粒径~10 nmの金属ナノ粒子が形成しており、STEMーEDSによる分析によりこれらの粒子がPtナノ粒子であることが確認された(Fig. 1)。合成後のカーボンペーパーを直接電極に用いた電気化学測定(所属研究室で実施)ではメタノールの電気化学的酸化に由来する電流が見られ、Pt粒子がメタノール酸化触媒として機能することが示唆されている。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1. Dark-field image and STEM-EDS elemental mapping of the products.
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
参考文献 [1] K. Yamagiwa et al., JJAP, 56, 06GE05 (2017).
謝辞:本研究の一部は、JSPS科研費22K04704の助成、また文部科学省「マテリアル先端リサーチインフラ」事業(課題番号:JPMXP1222NM0051)の支援を受けた。
A part
of this work was supported by JSPS KAKENHI Grant Number 22K04704 and “Advanced
Research Infrastructure for Materials and Nanotechnology in Japan (ARIM)” of
the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology (MEXT),
Grant Number JPMXP1222NM0051.
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 1.“機能性ナノ材料の創製と応用 帝京科学大学 山際研究室”,国際ナノテクノロジー総合展・技術会議(nanotech2023),山際清史,1G-28-06,東京ビッグサイト,2023年2月.
- 2.“Pt担持ナノカーボンの液相合成と電気化学的特性の評価”, 上村恭平,池田智,山際清史,第12回CSJ化学フェスタ2022(日本化学会主催),P2-084,船堀,2022年10月.
- 3.“配向カーボンナノチューブの液相一段合成における添加剤の効果”, 木村優里,青木健悟,山際清史,第12回CSJ化学フェスタ2022(日本化学会主催),P2-086,船堀,2022年10月.
- 4.“種々のステンレス線材を用いたカーボンナノチューブのCVD合成”, 戸口允暉,髙橋陸斗,山際清史,第12回CSJ化学フェスタ2022(日本化学会主催),P2-087,船堀,2022年10月.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件