【公開日：2023.08.01】【最終更新日：2023.05.29】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22NU0225
利用課題名 / Title
グラフェン／ダイヤモンド接合を用いた新規デバイス作製
利用した実施機関 / Support Institute
名古屋大学
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）加工・デバイスプロセス/Nanofabrication（副 / Sub）-
【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions（副 / Sub）-
キーワード / Keywords
リソグラフィ/Lithography,膜加工・エッチング/Film processing and Etching,EB
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)
植田 研二
所属名 / Affiliation
早稲田大学大学院情報生産システム研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
中水流 秋穂
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
（主 / Main）機器利用/Equipment Utilization（副 / Sub）-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NU-226：RIEエッチング装置
NU-223：フォトリソグラフィ装置群
NU-224：電子ビーム蒸着装置
報告書データ / Report
概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
グラフェン／ダイヤモンド積層構造の品質評価を行うため、名古屋大学の設備を利用してラマン測定を行った。また、これらの積層構造を用いてグラフェン／ダイヤモンド接合を作製しその光伝導特性について調査した。なお、接合の作製には名古屋大学の微細加工設備（RIE、マスクアライナ、EB蒸着器）を使用した。
実験 / Experimental
マイクロプラズマCVD法によりグラフェン／ダイヤモンド薄膜積層構造を作製し、顕微ラマン測定を用いて品質評価を行った。その後、積層構造の微細加工を行いグラフェン／ダイヤモンド接合を作製した。
結果と考察 / Results and Discussion
本研究で我々は、近年我々が見出した垂直配向グラフェン(VG)／ダイヤモンド接合の特異な光伝導特性（光メモリスタ特性）を用いて簡単な文字識別が可能である事を見出した。 VG／ダイヤ接合素子に正バイアス印加下でパルス光を10回照射すると、パルス光に応じて段階的に伝導度が増加した後、緩和時間τ= ～1.9 sで伝導度が減衰する事が分かった。この素子の特異な光伝導性を用いて数字（0～9）認識を試みた（図１）。縦5セル×横4セル、計20セルの白黒セルで表した数字を、各行4セル単位で分解し、各行に対応した光パルスを素子に照射する。例えば数字「2」の識別の場合、黒いセルを”1”、白いセルを”0”とすると1行目は0110で表されるので光パルスをオフ(0)、オン(1)、オン(1)、オフ(0)の形で連続的に照射し光伝導度の記録を行う事となる。この操作を各行ごとに繰り返す。この時VG／ダイヤ素子が短いτに基づく短期記憶機能を持つことから、各行に対応した光照射よって得られる伝導度が複雑に変化する。各行の伝導度が数字によって異なるため、数字(0～9)の識別が可能となる。本研究では計50パターンの画像データを用意し、それぞれの文字データに対応した光パルスを照射することで数字認識を行った。これらの測定から、得られた5つの伝導度を2層ニューラルネットワークに入力し認識させることで9割以上の識字率を得ることができた。この結果はVG／ダイヤ接合が新規脳型光記憶演算素子として利用できる可能性があることを示唆している。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1: VG/ダイヤモンド接合を用いた数字認識
その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)
本研究は、科学研究費補助金(21H01388)及び泉科学技術振興財団の補助を受けて行いました。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- (1) グラフェン／ダイヤモンド光メモリスタを用いたリザバー計算 伊藤 悠河、中水流 秋穂、植田 研二 2022年度第83回応用物理学会秋季学術講演会、東北大学、9/20-23
- (2) バリア高さ可変型パワーショットキーダイオード作製に向けたグラフェン／ダイヤモンド積層構造の作製 中水流 秋穂、畑野 敬史、生田 博志、植田 研二 2022年度第83回応用物理学会秋季学術講演会、東北大学、9/20-23
- (3) Reservoir computing using vertically aligned graphene/diamond heterojunctions. Y. Ito, A. Nakazuru, and K. Ueda 2022 MRS fall meeting, On-site, virtual hybrid conference (Boston, USA), 6-8 Dec. 2022 (6 Dec., virtual).
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件