【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.25】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23RO0015
利用課題名 / Title
MOSキャパシタ
利用した実施機関 / Support Institute
広島大学 / Hiroshima Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
MOSキャパシタ製作,半導体パラメータ測定,成膜成膜,表面処理,形状・形態観察,電極材料/ Electrode material,蒸着・成膜/ Vapor deposition/film formation,スパッタリング/ Sputtering,光学顕微鏡/ Optical microscope,膜加工・エッチング/ Film processing/etching
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
小西 優一
所属名 / Affiliation
中央大学大学院理工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術補助/Technical Assistance(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
RO-121:スピンコータ
RO-221:酸化炉
RO-225:ポストメタライゼーションアニール(PMA)炉
RO-321:スパッタ装置(Al用)
RO-511:プローバ
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
半導体素子製作体験のために、広島大学の設備を利用してMOSキャパシタの製作を行った。また、製作したデバイスの特性を調べるべく、同大学の設備を利用してCV特性を測定した。MOSキャパシタの製作は成功した。さらに、半導体デバイスの測定及び評価方法の学習のために、半導体パラメータアナライザを使った。
実験 / Experimental
2inch P型Siウェハの自然酸化膜をフッ化水素酸で除去し、酸化炉で酸化膜をSiウェハに成膜した。次にSiウェハ表面にレジストをスピンコータでスピンコートした後、酸化膜エッチングを行った。レジスト除去後、レジスト除去液によって生成したSiウェハ裏面の酸化膜を除去した後、スパッタ装置を用いてバルク電極を形成した。次にSiウェハ表面にスパッタを施し、MOSキャパシタのゲート電極を形成した。最後にPMAアニールを行い、表面処理をしたものとしなかったものに分けて、特性の違いを調べた。また、酸化膜厚の測定のために、干渉膜厚計(AFT 5000)を用いた。製作物の特性評価として、CV特性のLCRメータ(Agilent 4284)による評価を行った。また、既成のSiウェハ上のCMOSインバータやMOSFETの特性評価を半導体パラメータアナライザ(Agilent 4156)で評価した。
結果と考察 / Results and Discussion
製作したMOSキャパシタの全体像を図1に示す。Siウェハ表面に見える丸い銀色の領域がそれぞれMOSキャパシタのゲート電極に当たる。この電極の内、赤丸で囲った電極のCV特性を測定した(図2) 。これらの測定結果から、MOSキャパシタの不純物濃度やスレッショルド電圧、フラットバンド電圧、フラットバ
ンド容量を求めた。その結果を表1に示す。不純物濃度はゲート電圧が-1 Vから0 Vの範囲におけるCV特性の傾きから求められる。スレッショルド電圧はゲート電圧が正の領域から負の領域へ戻る際の変曲点となる。フラットバンド容量は式1で表される。なお、τは熱電圧で300 Kにおいて26 mVである。εは酸化膜のSiO2の誘電率で、3.45×10-13となる。最後にフラットバンド電圧VFBはグラフ中最大の容量の38%の容量を取るときの電圧と定義した。 PMA処理の有無による差異の一つとして、(C/S)-2特性の違いがある(図3)。これは、PMAを行うことによって、酸化膜中の局在電位を減らし、(C/S)-2特性をリニアにしている。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 製作したMOSキャパシタ
図2 CV特性
表1 MOSキャパシタ各種パラメータ
図3 (CS)-2特性
式1 フラットバンド容量の関係式
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
横山 新 著「デバイス・プロセス工学」 New Mountain Side Publishing Company 2017年 本研究の遂行にあたり、共同研究者として終始多大なご指導を賜った、広島大学ナノデバイス研究所黒木伸一郎教授に深謝致します。また同研究所ARIM支援室の先生皆様方には、本研究の遂行にあたり、適切なご助言、ご協力頂きました。ここに感謝の意を表します。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件