利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.04.27】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22MS1051

利用課題名 / Title

キラルな大環状分子のゲスト包接と光学特性との相関解明

利用した実施機関 / Support Institute

自然科学研究機構 分子科学研究所 / IMS

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed

キーワード / Keywords

分子包接, 大環状分子


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

内藤  順也

所属名 / Affiliation

福井大学学術研究院工学系部門

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

MS-222:熱分析(等温滴定型カロリメーター/溶液)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

検出対象との混合により簡便にキラリティを識別できる分子の開発は、創薬や環境分析分野への応用が期待されている。上記目的を達成するため、本研究では分子認識によって発光特性が変化するキラルな大環状分子の開発を目指した。今回新たに、蛍光発光性を有する分子ユニットと、不斉認識場を与える分子ユニットとを組み合わせた新たな大環状分子を合成した。合成した一連の分子に対して、各種ゲストを添加した際の分子包接における各種熱力学パラメータを、等温滴定型カロリメータを用いて算出した。

実験 / Experimental

分子包接能を有する一連のキラルおよびアキラルな大環状分子について、空孔形状と包接能との相関解明を目的に、溶液状態においてゲストを添加した際に発生する熱量を Malvern の MicroCal PEAQ-ITC および iTC200 を用いて測定した。

結果と考察 / Results and Discussion

種々の空孔形状を有するホスト分子について、メタノールの希薄溶液状態で種々のアルカリ金属イオンを添加したところ、セシウムおよびカリウムイオンを添加した際に分子包接に伴う強い発熱が観測された。等温滴定型カロリメータを用いて、発生した熱量より会合定数を算出したところ、同様の空孔サイズの大環状分子において、環のねじれの有無により会合定数が異なることが判明した。すなわち、ホストの空孔サイズが一定以上の大きさのときは、分子のねじれにより会合定数が 1 桁程度増大したのに対し、空孔サイズが一定以下のときは、分子のねじれにより会合定数が 1 桁程度減少した。この結果は、ホスト分子のねじれとゲスト分子の包接能との相関について新たな知見を与えるものである。今後は各種分光法により分子包接と光学特性との相関解明を目指す。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本課題を遂行するにあたり等温滴定型カロリメータの利用でご支援下さいました分子科学研究所機器センターの長尾春代様に感謝いたします。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. (1) 八島貴史, 中島滉太, 堀 諒雅, 宮川しのぶ, 内藤順也, 徳永雄次, “ノット型クリプタンドの金属イオン認識”, 2022 年度有機合成化学北陸セミナー, 令和 4 年 10 月 7 日.
  2. (2) 八島貴史, 内藤順也, 宮川しのぶ, 徳永雄次, “交差型クリプタンドの合成”, 日本化学会第 103 春季年会, 令和5 年 3 月 22 日.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る