利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.03】【最終更新日:2023.08.03】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22NR0037

利用課題名 / Title

マラカイトグリーン誘導体含有経皮性リポソームの開発

利用した実施機関 / Support Institute

奈良先端科学技術大学院大学 / NAIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials

キーワード / Keywords

リポソーム, 化粧品


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

Uda Ryoko

所属名 / Affiliation

奈良工業高等専門学校物質化学工学科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

河合 壯,藤原 正裕

利用形態 / Support Type

(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NR-202:300kV透過電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

リポソームは、リン脂質二分子膜からナノ・マイクロメートルサイズの閉鎖小胞体(カプセル)である。薬剤内包性や低毒性などの特徴を有することから、リポソームは薬物送達システムにおける製剤として臨床での承認を受けており、経皮用としても皮膚浸透性を高めた様々なリポソームが盛んに開発されている。本研究では、マラカイトグリーン誘導体を用いた経皮到達可能な紫外光応答リポソームを開発することを目的とした。マラカイトグリーン誘導体は紫外光によって脂溶性からカチオン性界面活性剤へと変化する分子であり、リン脂質から成るリポソームに含有させることで、紫外光照射によるリポソーム変化の誘起が可能である。リポソーム形態の変化を調べるため、奈良先端科学技術大学院大学にてクライオ透過電子顕微鏡観察を行った。

実験 / Experimental

リン脂質、界面活性剤、マラカイトグリーンを含む薄膜を作製し、それを緩衝液に懸濁させた。さらに凍結融解やエクストルーダーによる処理を経て、リポソームサンプルを調整した。暗時またUVBを照射させた場合のリポソーム形態をクライオ透過電子顕微鏡(300kV)にて観察した。

結果と考察 / Results and Discussion

暗時では直径が数十~数百nmの球状リポソームと扁平形状のリポソームが観察された。一般的なリポソームは剛直であるが、経皮性リポソームには角層を通過するための弾力性や柔軟性が不可欠である。そのため扁平形状のリポソームが観られたと考えられる。UVBを照射後の形状は大きく変化し、球の一部が陥没し、サイズも数十nmのものが多数観られた。また、針状のリポソーム膜断片のようなものも確認された。これらの結果から、本研究の経皮性リポソームはUVB照射によって形態が変化し、光で内包物を放出する可能性のあることが示された。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究の一部は、文部科学省マテリアル先端リサーチインフラ事業の支援により、奈良先端科学技術大学院大学で実施されました。ご対応いただいた、技術職員の藤原正裕氏に感謝いたします。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 岡本嶺, 浅香輝拡, 林啓太, 宇田亮子,”マラカイトグリーン含有リポソームの膜融合性を用いた送達システムへの展開"日本化学会第104春季年会, 令和5年3月22日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る