【公開日：2023.08.03】【最終更新日：2023.04.21】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22NR0015
利用課題名 / Title
有機半導体デバイス向け材料の探索
利用した実施機関 / Support Institute
奈良先端科学技術大学院大学
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis（副 / Sub）-
【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials（副 / Sub）-
キーワード / Keywords
形状・形態観察,仕事関数
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)
徳田 桂也
所属名 / Affiliation
東洋紡株式会社
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
奥山 哲雄,遠藤 大輔,谷川 美恵子
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
淺野間 文夫技術専門職員,小池 徳貴技術専門職員
利用形態 / Support Type
（主 / Main）機器利用/Equipment Utilization（副 / Sub）-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NR-402：大気中光電子分光装置
NR-703：微細形状測定装置
報告書データ / Report
概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
自然エネルギーの利用に対する世界的な関心の高まりから、太陽電池に関する研究開発が盛んになっている。その中で、既に普及しているシリコン太陽電池に加え、次世代太陽電池と呼ばれる新しい太陽電池が注目を集めている。
次世代太陽電池の一つに有機半導体物質を発電層とした有機薄膜太陽電池がある。有機薄膜太陽電池の電極を形成する一般的な手法として真空蒸着法が挙げられるが、真空蒸着の条件によっては下地となる有機層にダメージを与える恐れがある。
本検討では、奈良先端科学技術大学院大学の設備を利用して電極の真空蒸着による下地層の仕事関数への影響について測定を実施した。
実験 / Experimental
透明電極 (ITO) 付きガラス基板上に有機導電高分子薄膜を形成し、この上にAgを3 nm真空蒸着した。蒸着レートはそれぞれ0.5～5 Å/sとした。銀薄膜の上から大気中光電子分光装置 (AC-3) を用いて仕事関数の測定を実施した。有機導電高分子薄膜の厚みは微細形状測定装置 (Kosaka Laboratory - ET200) を用いて測定した。
結果と考察 / Results and Discussion
Fig. 1には、本検討における測定のイメージ図を示した。AC-3の分析深さが約20nmであるため、Agを薄膜化することでその下地である導電性高分子層の情報を得ることができると考えた。Table
1 には、AC-3の測定結果を示した。Agの蒸着レートはそれぞれ0.05、0.5、1、および5Å/sとした。
Ag薄膜越しに導電性高分子を測定することで、仕事関数はAgおよび導電性高分子の間の値となった。しかしながら、蒸着レートとの間に相関は見られなかった。
このことから、蒸着レートの変化は下地の導電高分子層の仕事関数には影響しないことが明らかとなった。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1 Schematic representation of work function measurement.
Table 1 Work function of Ag, conductive polymer, and the laminate.
その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)
本検討にあたり、奈良先端科学技術大文科省マテリアル先端リサーチインフラ事業を活用させていただきました。
機器利用だけでなく、有益な助言をいただきました。心より感謝申し上げます。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件