利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.03】【最終更新日:2023.08.03】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22NR0008

利用課題名 / Title

果実由来細胞外小胞の薬物送達システムへの応用

利用した実施機関 / Support Institute

奈良先端科学技術大学院大学 / NAIST

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials

キーワード / Keywords

電子顕微鏡/Electron microscopy, 細胞外小胞/Extracellular vesicles


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

板倉 祥子

所属名 / Affiliation

東京理科大学 薬学部

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

河合 壯,藤原正裕,河合由子

利用形態 / Support Type

(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NR-202:300kV透過電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

エクソソームに代表される細胞外小胞は、脂質二重膜構造を有した微小な粒子で、様々な細胞から分泌され遠隔の組織や細胞とのコミュニケーション媒体としての役割が明らかとなってきている。近年では、哺乳類細胞に限らず、植物由来の脂質二重膜構造のナノ粒子がヒトに対して生理活性を有している可能性が示され、疾患治療や診断への応用が期待されている。種を超えたコミュニケーションの機能から、ヒト細胞への薬物送達システム(DDS)としての応用研究も進められているが、薬物の搭載方法について、効率的な方法の開発が求められている。そこで、本研究では、細胞外小胞へのsiRNAの搭載方法としてマイクロ流体デバイスを用いた方法について検討した。

実験 / Experimental

植物由来細胞外小胞として多数の報告があるグレープフルーツを用い、スクロースクッションを利用した方法で回収した。マクロデバイスを用いてsiRNA水溶液と細胞外小胞をエタノールで溶解した溶液を送液し、混合条件を最適化することでsiRNAを搭載した細胞外小胞を調製した。調製前と後において、粒子径、ゼータ電位、クライオ透過型電子顕微鏡(300kV)観察により、粒子物性を評価した。

結果と考察 / Results and Discussion

グレープフルーツ由来の細胞外小胞を回収した結果、粒子径約120 nm付近の負電荷のリポソーム様のナノ粒子であることがわかった(Figure 1)。さらに、マイクロ流体デバイスで調製後の粒子を観察した結果、約200 nm付近で少し大きくなったものの、負電荷を示し、Figure 1の粒子と同様の形態のナノ粒子であることが示された(Figure 2)。以上の結果より、エタノールに溶解し、マイクロ流体デバイスを用いることで、搭載前と同様の形態のナノ粒子を再構築可能であることが示唆された。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Figure 1. グレープフルーツ由来細胞外小胞



Figure 2.siRNA搭載グレープフルーツ由来細胞外小胞


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Shoko Itakura, Gene knockdown in HaCaT cells by small interfering RNAs entrapped in grapefruit-derived extracellular vesicles using a microfluidic device, Scientific Reports, 13, (2023).
    DOI: 10.1038/s41598-023-30180-3
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 果実由来細胞外小胞の表皮および毛乳頭細胞への取り込みと毛嚢選択的送達 ○板倉 祥子、雨海 沙矢香、庄子 綾香 、杉林 堅次、藤堂 浩明. 日本香粧品学会(東京)2022/6/11~12(ハイブリッド開催)
  2. マイクロ流体デバイスを用いたsiRNA封入細胞外小胞の調製 ○ 板倉 祥子、庄子 綾香、林 佑香、髙山 幸三、杉林 堅次、藤堂 浩明. 日本薬剤学会 第37年会(京都)2022/5/11~28(オンライン開催)
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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