【公開日:2023.08.03】【最終更新日:2023.08.03】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22NR0003
利用課題名 / Title
反応性プラズマ支援成膜法により作製した窒化ホウ素膜のsp結合ナノネットワーク構造制御に関する研究
利用した実施機関 / Support Institute
奈良先端科学技術大学院大学 / NAIST
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed
キーワード / Keywords
窒化ホウ素膜,透過型電子顕微鏡,X線光電子分光
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
濱野 誉
所属名 / Affiliation
京都大学大学院工学研究科 航空宇宙工学専攻
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
松田崇行,朝本雄也
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
河合壯,藤原正裕,宮家和宏,河合由子
利用形態 / Support Type
(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub),機器利用/Equipment Utilization
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NR-202:300kV透過電子顕微鏡
NR-401:多機能走査型X線光電子分光分析装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
窒化ホウ素(BN)は,常圧相系BN(h-BN,r-BN)や高圧相系BN(c-BN,w-BN)に代表される種々の微視的構造(sp結合ナノネットワーク構造)をとりうる特異な材料である.例えば,六方晶のh-BNは2次元絶縁体材料として,立方晶のc-BNは超高硬度工具被覆材料として注目されている.高機能BN膜の作製には,組成,sp結合状態の精密制御が重要である.本研究では,我々がこれまで提案してきた反応性プラズマ支援成膜(RePAC: Reactive Plasma-Assisted Coating)法を用いて,種々のBN膜構造を作製し,電子顕微鏡観察によりナノネットワーク構造の変化を同定した.
実験 / Experimental
RePAC法では,B蒸発源を電子ビームにより加熱し,基板にB蒸気を輸送する.磁場印加型真空アーク放電により高密度N2プラズマを生成し,Nラジカル,イオンを供給する.基板に印加する直流自己バイアス電圧により入射イオンエネルギー(Eion)を制御し,Si基板上にBN膜を堆積した.その後透過型電子顕微鏡により膜中のナノネットワーク構造を解析した.
結果と考察 / Results and Discussion
Fig. 1に異なるEionに対するナノネットワーク構造の電子回折パターンを示す.回折パターンに基づき,ナノネットワーク構造は3つの領域(i),(ii),(iii)に分類できる.領域(i)ではsp2結合相のみが見られ,Eionの増加とともに最も内側の回折リングがスポット状へと変化し,これはsp2結合相のc軸の向きが変化したことを意味する.そしてEionの増加によりsp3:sp2混合相が形成され(領域(ii)),最も外側に回折リングが発現する.さらにEionを増加させると再びsp2結合相のみとなり(領域(iii)),局所的に乱された構造が確認された.
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1 Nano-beam diffraction patterns for various BN nano-network structures.
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 濱野誉,松田崇行,朝本雄也,野間正男,長谷川繁彦,山下満,占部継一郎,江利口浩二,”ナノネットワーク構造解析に基づく微細トレンチ内の窒化ホウ素膜特性予測”,第70回応用物理学会春季学術講演会,令和5年3月17日
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件