利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.08】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22GA0034

利用課題名 / Title

窒化シリコン薄膜基板上におけるシリコン薄膜のエピタキシャル成長に関する研究

利用した実施機関 / Support Institute

香川大学 / Kagawa Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

成膜・膜堆積,接合,MOS,p-n接合,デバイスプロセス,集積回路,センサ,


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

長岡 史郎

所属名 / Affiliation

香川高等専門学校

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

GA-004:デュアルイオンビ-ムスパッタ装置
GA-005:触針式表面形状測定器
GA-009:デジタルマイクロスコープ
GA-010:ダイシングマシン
GA-012:エリプソメータ


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

スパッタ法によるシリコン薄膜のエピタキシャル成長の実現を目標として、単結晶シリコン基板上に熱的に安定な窒化シリコン薄膜とシリコン薄膜を連続成膜し、成膜したシリコン薄膜の配向性およびその成膜条件による制御性について調べた。ここでは、まず予備実験として正確な膜厚制御を可能にするため、窒化シリコンとシリコン薄膜の成膜速度を調べた。その結果を用いて意図した構造の積層膜を実現することができた。

実験 / Experimental

Fig. 1に今回検討する、高配向スパッタSi薄膜の作製プロセスのフローチャートと評価サンプルの概要を示す。6インチの(100)シリコン基板を、ダイシングマシン(DISCO社製、DAD3220)を用いて20 mm角に切断したものを基板に用いた。断面をデジタルマイクロスコープ(HIROX社製、KH-7700)で確認した。基板切断時に付着した可能性のある有機物と金属元素を除去するため、硫酸と過酸化水素およびアンモニア水と過酸化水素水による洗浄を行った。洗浄したシリコン基板は、直ぐに成膜装置にセットし真空引きを開始した。真空室内の圧力が10-5 Paに到達後、2時間ほど排気を継続し、Si3N4薄膜とSi薄膜の成膜を連続して行った。Si3N4薄膜の膜厚はその上に成膜するSi薄膜が基板のSiと同じ[100]方向に配向することを期待し5 nm程度とした。Siの膜厚は、初期成長膜の配向性をみるため、50 nmから200 nmとした。膜厚は時間で制御し触針式表面形状測定器(ULVAC社製、Decktak8)で確認した。

結果と考察 / Results and Discussion

今回の実験では、成膜装置の基板とターゲット間距離を一定とした。成膜後の熱処理依存性を調べるため、今回はSiおよびSi3N4共に基板加熱は行っていない。Si3N4薄膜およびSi薄膜の基板内および基板間の膜厚分布が、同一バッチ内の基板6~8枚間で3%以下になるように、成膜速度と膜厚分布のスパッタガス圧、スパッタ電力等の成膜条件依存性を調べ決定した。Fig. 2に Si3N4薄膜の検討結果を示す。結晶性を阻害するパーティクルのないSi3N4薄膜が得られていることがわかる。膜厚は、目的の200 nmと比べて約10%厚かった。この結果をもとに、最も重要な膜厚5 nmの緩衝Si3N4薄膜を作製する。緩衝Si3N4薄膜は膜厚が不足するのは結晶性を良くするように働く。成膜時間の設定を+0%/-10%として成膜すれば目的を達成できると予想する。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig.1  高配向スパッタSi薄膜の作製プロセス



Fig. 2 高配向緩衝膜およびエッチングマスクとなるSi3N4薄膜の作製結果


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

実験を進めるのに際し、成膜および評価に関し理論的アドバイスを頂いた下川房男先生、成膜実験のご指導を頂いた支援員の皆様に感謝いたします。
科研費2 2 K 1 2 3 0 8


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. S. Nagaoka, et al., “Feasibility Study of a Simplified Nanotech Platform and Device Evaluation ”, Malaysia-Japan International Conference on Nanoscience, Nanotechnology and Nanoengineering 2023, IL-1, Port Dickson, Malaysia, 24th -26th Feb., 2023
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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