利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.04.28】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22KT1275

利用課題名 / Title

フィールドエミッタアレイの膜物性評価

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

窒化ハフニウム, 電界放出電子源,X線回折/X-ray diffraction


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

後藤 康仁

所属名 / Affiliation

京都大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

大住知暉

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-310:X線回折装置
KT-326:高周波伝送特性測定装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

フィールドエミッタアレイ(FEA)は冷陰極電子源の一つであり、過酷環境でも問題なく動作することから、高温、放射線環境での応用が期待される1)。FEAの陰極材料として窒化ハフニウム(HfN)が適切であると考えられ2)、陰極材料として用いるHfNの条件を決定するために、HfNの膜物性の評価が必要となる。そこで、成膜したHfN薄膜のX線回折図形を測定し結晶構造を調べた。また、シート抵抗を測定し抵抗率を評価した。

実験 / Experimental

Hfターゲットを用いて、反応性RFマグネトロンスパッタ法によりSi基板上にHfN薄膜を成膜した。成膜したHfN薄膜のX線回折図形はθ-2θ法によりX線回折装置 SmartLab(リガク製)を用いて測定した。また、シート抵抗は四探針法により、高周波伝送特性測定装置 α150(アポロウェーブ製)を用いて測定した。

結果と考察 / Results and Discussion

θ-2θ法により測定したHfN膜のX線回折図形を図1に示す。点線はICDD記載の回折角である。αHf(100)、αHf (002)、αHf (101)に対応した回折線が確認でき、HfN(200)、HfN(220)に対応した回折線が確認できないことから測定した薄膜はHfの結晶構造であることが分かった。また、同一の薄膜を四探針法で評価したところ、シート抵抗は7.7 Ω/sqであった。1.6 MeV H+を用いた非ラザフォード後方散乱法による測定から膜厚は290 nmであると評価でき、これを用いて、抵抗率は220 µΩcmであると評価できた。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1. θ-2θ法により測定したHfN膜のX線回折図形


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

参考文献
1) 後藤, J. Vac. Soc. Jpn. 60, 55 (2017).
2) R. Fujii et al., Vacuum 80, 832 (2006).


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 大住知暉,長尾昌善,後藤康仁,”反応性スパッタ法により成膜した窒化ハフニウム薄膜の仕事関数の窒素組成依存性”,第83回応用物理学会秋季学術講演会(仙台),令和4年9月21日,21p-C306-1.
  2. 大住知暉,長尾昌善,後藤康仁,”直流および高周波マグネトロンスパッタ法により成膜した窒化ハフニウム薄膜の仕事関数の測定”,電子情報通信学会 電子デバイス研究会(名古屋),令和4年12月8日.
  3. 大住知暉,長尾昌善,後藤康仁,”反応性スパッタ法により成膜した窒化ハフニウム薄膜の加熱による仕事関数低下量の評価”, 第70回応用物理学会春季学術講演会 (東京), 令和5年3月15日, 15p-D209-9.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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