利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2024.04.05】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22NM0057

利用課題名 / Title

黄斑上膜、黄斑円孔におけるプロテオーム解析

利用した実施機関 / Support Institute

物質・材料研究機構 / NIMS

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials

キーワード / Keywords


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

山本 瑠璃

所属名 / Affiliation

日本大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

鈴木佑典

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

服部晋也,竹村太郎

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NM-002:LC-MS(Q-Exactive Plus)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

黄斑円孔は60歳以上に発症する特発性の疾患であり、放置すると不可逆的な視力低下を招くため、硝子体手術を施行することが一般的である。黄斑円孔の発症メカニズムは、生理的に50~60歳代で起こる後部硝子体剥離の際に黄斑部と硝子体の癒着が強く牽引されると円孔を形成する。黄斑上膜は、60歳以上の7~34%に認められる疾患であり、黄斑上膜は進行性や可逆性のものがあり、一般的に視力障害や歪視などの症状が強い場合に硝子体手術を施行する。硝子体手術全体の10%以上を占めるとされており、黄斑上膜の発症メカニズムは、加齢による後部硝子体剥離の際に、グリア細胞が増殖するためと考えられているが、原因としては炎症によるものや裂孔によって色素が散布されることによるものなど多岐にわたる。 上記のいずれの疾患においても硝子体液のタンパク解析や剥離した黄斑上膜の検体を解析した報告がある¹⁾²⁾が、病態解明には至っておらず、また、近年光干渉断層計を用いた黄斑上膜を画像所見によるステージ分類ではステージ進行に伴い有意に視力低下を認めた³⁾。本研究の目的は黄斑円孔や黄斑上膜のタンパク解析を行うことで原因を検索し、進行に影響する因子や病態を解明することである。

実験 / Experimental

患者から同意を得て、手術時に硝子体液、黄斑上膜検体を採取し日大理工学部の実験室にて吸光度測定しタンパク定量、アセトン沈殿による硝子体検体の濃縮を行い各検体のうち200㎍相当を採取しアルブミン除去を行う。その後再度検体をアセトン沈殿によって濃縮し、還元アルキル化とトリプシン消化を行ったあとC18カラムによる脱塩を行う。膜検体についてはプロテアーゼインヒビターで処理し20㎕のRIPA bufferにピペッティングにて溶解し、硝子体検体と同様に還元アルキル化、トリプシン消化を行う。以上の工程を終えた検体をNIMSに持参しLC-Orbitrap/MSによるプロテオーム解析を行う。  

結果と考察 / Results and Discussion

Bradford法によるタンパク定量では各検体のタンパク濃度は0.52~6.15㎍/㎕であった。初回のLC-Orbitrap/MSによるタンパク同定数は初回測定時に78~117種類であった。その後、LC-Orbitrap/MSへ取り込ませる各検体のタンパク量を上限である30㎍から15㎍に減らして測定を実施したところタンパク同定数は測定2回目で175~279種類まで増加した。3回目測定時は146~506種類であった。タンパクの詳細については現在解析中。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

1) Zhang P, Zhu M, Zhao Y, Qian J, Dufresne C, Turner R, Semba RD, Solomon SD.  A proteomic approach to understanding the pathogenesis of idiopathic macular hole formationClin Proteomics. 2017 15; 14:372) Christakopoulos C, Cehofski LJ, Christensen SR, Vorum H, Honoré B.  Proteomics reveals a set of highly enriched proteins in epiretinal membrane compared with inner limiting membraneExp Eye Res. 2019; 186:107722.3) Govetto A, Lalane RA, Sarraf D, Figueroa MS, Hubschman JP. Insights into epiretinal membranes: Presence of ectopic inner foveal layers and a new optical coherence tomography staging scheme Am J Ophthalmol. 2017Mar; 175: 99-113


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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