【公開日：2023.07.28】【最終更新日：2023.05.19】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22NM0045
利用課題名 / Title
金属・金属酸化物ナノ微粒子混合系の無機バインダー成分との相互作用の解明
利用した実施機関 / Support Institute
物質・材料研究機構
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis（副 / Sub）-
【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies（副 / Sub）次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials
キーワード / Keywords
資源使用量低減技術,ナノ粒子
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)
井上 友博
所属名 / Affiliation
信越化学工業株式会社
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
（主 / Main）機器利用/Equipment Utilization（副 / Sub）-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NM-505：200kV透過電子顕微鏡
NM-502：実動環境対応電子線ホログラフィー電子顕微鏡
報告書データ / Report
概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
信越化学にて酸化チタンを中心とした機能性の水系ゾル製品群を上市している。これらの多くはナノ粒子の形態であり、サイズ、形状、表面状態などと物性・機能が密接に関わっている。製品が利用される様々な環境において粒子の微視的な挙動を知ることが、よりマクロな物性や品質の評価の上で重要である。本制度の利用においては、主に、透過型電子顕微鏡や、成分分析が可能な走査透過型電子顕微鏡を用いて、詳細な粒子挙動を把握することを主な目的とする。
実験 / Experimental
酸化チタン、酸化ケイ素などの金属酸化物微粒子と、非晶質の酸化ケイ素や非晶質の酸化チタンからなるバインダーを混合した粒子分散液について、各成分の水分散液を精製水で希釈したのち、カーボン膜付きマイクログリッドに滴下・乾燥したものを観察試料とした。また、これらの分散液を市販ワイヤーバー（No.7~No.10）を用いて、親水化したPETフィルム等の上に塗布・硬化し膜厚100~300nm程度の薄膜形成したものを、断面試料として準備した。薄膜を大きく変形させないよう注意しながら、薄刃カミソリ(ナナロクカミソリ/日新EM製)を用いて塗膜面を1×3mm程度のサイズに切り出し、これを透明エポキシ樹脂に包埋したのち、ウルトラミクロトーム(社内)を用いて膜厚50~100nm程度の超薄切片を作製した。
各々の粒子、および薄膜断面試料について、S/TEM観察、STEM-EDS分析・成分マッピングを行い、粒子の形状・成分に関する情報を得た。利用装置：・200kV透過電子顕微鏡(JEM-2100)・実動環境対応型電子線ホログラフィー電子顕微鏡(JEM-ARM200F-B)
結果と考察 / Results and Discussion
①酸化チタン粒子の状態について
無機バインダー添加有/無のサンプルについて、粒子形態と成分の分布を可視化できた。一部の非晶質成分についてはマッピング中に照射損傷が見られるため、観察条件の再設定が次課題として残った。
②薄膜の状態について
無機バインダー添加有/無のサンプルについて、薄膜が接しているPET界面、Air界面の粒子の数、バインダの状態に関して可視化が可能だった。ドリフトを抑制することでナノ領域の成分マッピングも可能であったが、①同様に照射損傷が見られるため、実施可能な照射条件は追加調整が必要。
②の薄膜について、擦り耐久性、紫外線曝露耐久性などを評価したところ、微細構造とマクロな物性に一定の相関が見られており、有用な情報が得られた。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)
特にTEMおよびSTEMの機器操作にあたり、電子顕微鏡ステーションの伊坂紀子様、上杉文彦様にご助力を頂きました。深く感謝致します。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件