【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.04.25】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22NM0003
利用課題名 / Title
シリコンフォトニクスデバイスの開発
利用した実施機関 / Support Institute
物質・材料研究機構 / NIMS
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
膜加工・エッチング/Film processing and Etching,フォトニクス
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
渥美 裕樹
所属名 / Affiliation
産業技術総合研究所
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
吉田知也
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NM-607:スパッタ装置 [CFS-4EP-LL #3]
NM-615:ICP-RIE装置 [RIE-101iPH]
NM-617:ICP-RIE装置 [RV-APS-SE]
NM-629:ダイシングソー [DAD322]
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
大規模シミュレータやビッグデータの多目的利用などに伴い、光信号伝送技術を用いたより高速大容量かつ低消費電力な処理システムの開発が求められている。その中で、シリコンを導波路した光配線技術であるシリコンフォトニクスは、熟練したCMOS技術との集積性に優れており、光トランシーバを中心に商用化が進んでいる。一方で、光ファイバとシリコンフォトニクスチップ間の信号入出力部である光結合デバイスはシステムの性能・コストに多大な影響を与えることから、引き続き高性能化が求められている。このような背景のもと、本研究では導波路を三次元湾曲させた高効率かつ広波長帯域なシリコン光結合デバイスの開発を行った。
実験 / Experimental
外部シリコンフォトニクスファウンダリを用いて作製した光電子集積回路ウエハに対し、ダイシングソー(設備ID:NM-629)を用いて小片チップ化した。その後、スパッタ装置(設備ID:NM-607)にてアルミ膜を550nm成膜(Ar20sccm/ RF200W/ 0.25Pa/ 3200sec)した。アルミ膜は後述のシリコン酸化膜エッチングのマスクとして利用する。その後、i線露光装置を用いて窓パターンニングを行い、ICP-RIE装置(設備ID:NM-615) を用いてアルミ膜に転写(Cl2+N2=5+5sccm/ 0.3Pa/ ICP50W/ Bias200W/ 6min30sec)した。さらに、アルミ膜をマスク材としてICP-RIE装置(設備ID:NM-617)を用いて、深さ約7µmのシリコン酸化膜エッチング(C4F8+He=15+5sccm/ Coil1800W/ Platen600W/ 0.5Pa/ Temp10℃/ 12min)を行った。その後、ウェットエッチングによりアルミ膜とシリコン導波路周りの局所的なシリコン熱酸化膜の除去を行い、シリコン導波路片持ち梁を形成した。さらに、イオン注入、TEOS-PCVD成膜により、導波路の三次元湾曲加工、クラッド層形成を行い、デバイスを完成させた。
結果と考察 / Results and Discussion
図1にアルミ転写後の鳥瞰SEM画像を示す。SiO2層表面の露出が確認できた。点在するピラー構造は、アルミニウムスパッタ時のグレインによるものと考えられる。次に図2にシリコン酸化膜エッチング後の鳥瞰SEM画像を示す。角度85度以上の比較的垂直な側壁が得られた。一方、パターンのエッジ部分や一部表面に損傷が見られており、これはシリコン酸化膜エッチングのプラズマ損傷によるものと推測される。エッチング条件を見直すことで改善できる可能性がある。最後に図3に完成させた三次元湾曲シリコン光結合デバイスの鳥瞰SEM写真を示す。TEOS-PCVD装置により直径約6µmの先端ドーム状構造付きSiO2クラッド層が形成できている。また、本デバイスの中心軸として数百nm断面寸法のシリコン導波路が埋め込まれている。光学測定により波長1.55µm帯赤外光のチップ表面出射が可能であることを確認した。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1
図2
図3
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
NIMS微細加工PF事務局、および技術支援者の皆様には、いつもご丁寧に対応いただき感謝を申し上げます。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
-
Yuki Atsumi, Demonstration of Port-Selective Beam Scanner Incorporating Silicon Vertically Curved Waveguide Antenna Arrays, 2022 27th OptoElectronics and Communications Conference (OECC) and 2022 International Conference on Photonics in Switching and Computing (PSC), , 1-4(2022).
DOI: 10.23919/OECC/PSC53152.2022.9849967
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件