利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.08】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22IT0041

利用課題名 / Title

リング共振器を用いたスキルミオンレーザに関する研究

利用した実施機関 / Support Institute

東京工業大学 / Tokyo Tech.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed

キーワード / Keywords

InP, Si, 基板貼付け, リング共振器, レーザ, スキルミオン


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

岩本 敏

所属名 / Affiliation

東京大学先端科学技術研究センター

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

戴 知微

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

IT-019:基板貼付け装置
IT-020:ウェハ洗浄装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

ビーム断面にすべての偏光状態を持つフルポアンカレビームは光スキルミオンビームとも呼ばれ、トポロジカルな偏光分布を有する光ビームとして近年注目されている。我々は、集積フォトニクス技術、具体的にはリング共振器を用いた光スキルミオンビーム生成器を提案[1]・実証[2]してきた。この実証実験ではパッシブリング共振器を用いており、外部からの光入力が必要であった。リング共振器に利得を導入しレーザ発振を実現することで、直接光スキルミオンビームを放射するデバイスの実現が可能となる。本研究では、このスキルミオンレーザの実現を目指したプロセス技術基盤の開発を進めている。検討を進めているプロセスでは、最初にInP系量子井戸薄膜をシリコン基板に張り合わせる必要がある。今期は、その準備としてInP基板および量子井戸と含むInP基板をSi基板に貼り合わせる実験を行った。

実験 / Experimental

実験は、ARIM設備を利用させていただき以下の手順で行った。
1) プラズマCVD装置を用いたInP系基板(InP基板もしくはInGaAsP量子井戸層が形成されたInP基板)へのSiO2堆積
2) 貼り合わせ前処理としての基板洗浄
3) 基板貼り合わせ装置を用いた貼り合わせ実験

結果と考察 / Results and Discussion

図1は、開発を進めているプロセスフローを示したものである。今回実施した内容は赤枠で囲んだプロセスである。 図2には、PCVDによるSiO2成膜後のInP系基板の表面(a)、およびSi基板と張り合わせた後の表面(b)および側面(c)を撮影した写真である。 異種基板がしっかり接合されている様子がわかる。実験では図1に示したSiO2を介した張り合わせのほかアモルファスシリコン層を中間層とした張り合わせも検討した。いずれの方法でもその後のプロセスを進める上で十分な強度を有する接合が実現できた。現在、InGaAsP量子井戸エピ基板をSi基板を張り合わせた試料についてエピ基板のInP基板除去プロセス条件出しを進めている。完了次第、InGaAsP量子井戸薄膜へのリング共振器の形成を進める予定である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1: プロセスフローの概略図



図2: (a) SiO2成膜語のInP系基板の表面、(b) Si基板との貼り合わせ後の試料の表面、(c)同試料を側面


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

参考文献:
[1] W. Lin, Y. Ota, Y. Arakawa and S. Iwamoto, "Microcavity-based generation of full Poincare beams with arbitrary skyrmion numbers", Phys. Rev. Research 3, 023055 (2021)
[2] W. Lin, Y. Ota, Y. Arakawa, and S. Iwamoto, "Demonstration of on-Chip Optical Skyrmionic Beam Generators", The 2022 CLEO Conference and Exhibition, SM2N.4,  San jose, USA and Virtual, May 2022.
謝辞:
装置利用にあたりご配慮・ご指導をいただく西山伸彦先生、宮本恭幸先生、大礒義孝先生、高橋直樹氏、勝見駿斗氏はじめ、ARIM関係者各位に感謝いたします。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 1. Z. Dai, W. Lin and S. Iwamoto," Numerical Analysis of Unidirectional Lasing Conditions in Ring Resonators towards Active Skyrmion Lasers", 第83回応用物理学会秋季学術講演会, 20p-A202-17, 東北大学川内北キャンパス+オンライン(2022.9)
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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