利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.10.23】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22KT1020

利用課題名 / Title

マイクロ流路を用いた液膜試料の生成

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

シリコン基材料・デバイス,マイクロ流路,ピラニア溶液,ナノインプリント,3D積層技術/ 3D lamination technology


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

山本 遥一

所属名 / Affiliation

京都大学 大学院理学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

矢野寛人,上西隆太

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-226:ナノインプリントシステム


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

液体の光電子分光研究において、溶液中の溶媒および溶質の電子状態を詳細に解明するためには、液膜試料が有用である。本研究では、シリコン基板上に二本のマイクロ流路を形成したマイクロチップを製作した。チップから射出される二本の液体ジェットを衝突させることで液膜を生成することはできたが、製作したチップに詰まりおよび成膜性能の低下が見られたため、その洗浄を行い、状態が改善するかどうかを確認した。

実験 / Experimental

製作した69個のシリコン製チップを、A:流路が詰まったもの(13個)、B:元々液膜が生成できていたが、その後液体ジェットの衝突条件(二本のジェットの相対位置や角度)が変わり、生成できなくなったもの(28個)、C:元々液体ジェットの衝突条件が悪く、液膜が生成できなかったもの(28個)の3種類に分類した。これらを、A×3個または4個+B×7個+C×7個で1グループとし、合計4グループに分けた。これらをシャーレに入れ、有機用ドラフト内でNovec7100に浸漬し、一晩放置した。翌日、無機用ドラフト内でピラニア溶液(濃硫酸と30%過酸化水素水の混合液)に浸漬した。グループごとに30、50、70、90分と浸漬時間を変え、その影響を確かめた。その後チップを自研究室に持ち帰り、アセトンに浸漬し一晩放置した。その後、マイクロ流路に純水を通じ、詰まりが取れているか、および液膜が生成できるかを観察した。

結果と考察 / Results and Discussion

洗浄の結果を、(改善したチップの個数)/(全数)の形でTable1に示す。ただし、Aについては詰まりが取れた個数、B、Cについては液膜が生成できるようになった個数である。Aの結果から、詰まりに関しては浸漬で十分な洗浄効果があり、長時間行うことでよりその効果が上がることがわかる。一方、B, Cの結果のように、液膜の生成(液体ジェットの衝突条件)については、洗浄による一定の改善が認められるが、必ずしも浸漬時間との相関はない。以上の結果より、マイクロ流路の詰まりや成膜性能の低下にはピラニア溶液による浸漬が有効であることがわかった。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Table1. Immersion time and number of chips recovered.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)



成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Yo-ichi Yamamoto, Extreme Ultraviolet Laser Photoelectron Spectroscopy of Flat Liquid Jet Generated Using Microfluidic Device, Bulletin of the Chemical Society of Japan, 96, 938-942(2023).
    DOI: 10.1246/bcsj.20230151
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 古賀大輝、山本遥一、Alexie Boyer, 唐島秀太郎、鈴木俊法, "極端紫外光電子分光による気液界面近傍の電子状態の研究" 第17回 分子科学討論会、大阪大学 豊中キャンパス、2023年9月12~15日(ポスター)
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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