利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.29】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22NU0217

利用課題名 / Title

マイクロデバイスの作製

利用した実施機関 / Support Institute

名古屋大学 / Nagoya Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

リソグラフィ/Lithography,膜加工・エッチング/Film processing and Etching,EB,MEMSデバイス/ MEMS device,メタマテリアルメタマテリアル/ Metamaterial


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

舟山 啓太

所属名 / Affiliation

株式会社豊田中央研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

三浦篤志,田中宏哉

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NU-206:電子線露光装置
NU-208:両面露光用マスクアライナ
NU-247:ナノインプリント装置
NU-209:ICPエッチング装置
NU-246:3次元レーザ・リソグラフィシステム群


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

理論物理に基づく繊細な形状パラメータを有するSi製二次元振動子を実現するために、名古屋大学において電子線(EB)リソグラフィによるパターニング及び、DEEP RIEによる垂直エッチング加工を行った。当該施設の設備により、本振動子内にトポロジカル状態と非トポロジカル状態の2種類の構造体を作り分けることに成功した。また、2種類の構造体の境界に局在化するモード(トポロジカルエッジモード)の発現を観測し、構造体の境界が一方向性の弾性波の導波路として機能することを示した。

実験 / Experimental

支援機関にてSi on Insulator (SOI)基板のデバイス層にEBリソグラフィ(JBX6300FS)によるパターニングを行った。支援機関にてICPエッチン装置(RIE-800)を用いて上記活性層の垂直エッチング加工を実施した。その後、自機関にて裏面のSi支持層に対し、フォトリソグラフィによって振動子励振用の電極パターンを形成し、再度支援機関にてRIE-800によるSiのエッチング加工を実施した。最後に自機関にてBHFを用いたウェットエッチングによりSiO2酸化層を除去し、支援機関にて超臨界乾燥装置を利用しデバイス乾燥を実施した。一連のプロセスにより、Siデバイス層とSi支持層間に空間を作り、振動可能な構造とした。

結果と考察 / Results and Discussion

図1(a)にSi活性層側のデバイス全形写真とSEM写真を示す。EBリソグラフィ、ICPエッチング、BHFによる酸化層除去により、六員環構造とその周期構造体から成る二次元振動子がSi支持層からリリースされた。ICPエッチングではスキャロップによるパターンサイズ以上のサイドエッチングを抑えるために、電力・ガス量を調整した。図1(b)に作製したデバイスのSi支持層側の写真を示す。励振用Si電極はICPエッチングにより周囲のSi支持基板から独立している。全形写真から分かるように、Si電極の最先端部は二次元振動子の左端中央の直下に配置された。上記のSi電極がある位置を境にして下部はトポロジカル状態、上部は非トポロジカル状態の六員環である。図1(c)は励振電極から、構造体境界のみに振動が局在化する特異なモード(エッジモード)に相当する周波数を持つ信号を印加した際の弾性エネルギーの二次元マップである。振動子左端中央部で励振された弾性波が境界のみを伝わり、振動子の右端に伝播したことがわかる。本結果は今後、マイクロスケールのトポロジカル弾性波導波路の基礎設計と動作実証に関しての一助となることが期待できる。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1(a) 二次元Si振動子の全形(左)及び六員環構造(右上)と梁(右下)のSEM写真。(b) Si支持層側から撮影した励振用Si電極の全形(左)と先端部(右)。(c) 作製した振動子内におけるエッジモード発現時の弾性エネルギーマップ。


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

・トポロジカル状態:本内容においては、構造体の振動モードのうち四重極モードが低周波で、双極モードが高周波で発現する構造体を指している。逆に、双極モードが低周波で、四重極モードが高周波で発現する構造体を非トポロジカル状態と表記している。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Keita Funayama, Control of coupling between micromechanical topological waveguides, International Journal of Mechanical Sciences, 236, 107755(2022).
    DOI: 10.1016/j.ijmecsci.2022.107755
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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