【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.03】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23TU0040
利用課題名 / Title
薄膜デバイスの微細加工プロセスの検討
利用した実施機関 / Support Institute
東北大学 / Tohoku Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
磁気センサー,強磁性トンネル接合,量子スピントロニクスセンサ,リソグラフィ/ Lithography,膜加工・エッチング/ Film processing/etching,スピントロニクス/ Spintronics
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
熊谷 静似
所属名 / Affiliation
スピンセンシングファクトリー(株)
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
TU-063:i線ステッパ
TU-215:イオンミリング装置
TU-062:コータデベロッパ
TU-154:住友精密TEOS PECVD
TU-206:アルバックICP-RIE#2
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
強磁性トンネル接合(Magnetic Tunnel Junction : MTJ)を磁気センサとして用いたトンネル磁気抵抗(Tunnel Magneto-Resistance : TMR)センサは室温動作の高感度磁気センサである。近年、人体の心臓や脳といった生体磁場のような非常に微小な磁場の計測がTMRセンサで行われている。このTMRセンサを安定して歩留まり良く作製するためには、フォトリソグラフィーやエッチングの繰り返し安定性が重要であると考えられる。自動化が可能なコータデベロッパ―やi線ステッパー、エンドポイントをモニタリングできるエッチング装置を用いてTMRセンサを作製し、ウェハ全面に渡る磁気抵抗特性の計測を行った。
実験 / Experimental
MTJ多層膜を成膜した4インチφSiウェハを用意した。レジスト塗布や現像の自動化が可能なコータデベロッパ(Suss/ACS200Gen3)を用いてレジスト塗布を行い、i線ステッパー(キヤノン/FPA-3030i5+)で露光、コータデベロッパで現像を行うことでレジストパターンの形成を行った。レジストパターンの形成を行ったウェハに対してイオンミリング装置(エヌ・エス 伯東/20IBE-C)を用いてイオンミリングを行った。なお、ミリングストップ点の決定にSIMS質量分析を用いた。レジスト洗浄、層間絶縁の成膜(住友精密工業/MPX-CVD)、電極の成膜等を行い、磁気抵抗曲線をウェハ全面に渡って計測した。
結果と考察 / Results and Discussion
Fig.1に作製したウェハの最小の抵抗値(Rmin(Ω)(a))、磁気抵抗比であるTMR比(b)のマッピング結果を示す。688個のTMRセンサチップの内、抵抗値が非常に大きく測定できなかったチップ(Open状態、黒色で表示)はわずか3チップのみであり、99%以上の割合で磁気センサとして動作できるチップを確保することができた。抵抗値が右上で低く左下で高くなる分布が見られるが、これはMTJ多層膜の作製条件によるものであり微細加工による分布ではない。同じくTMR比も抵抗と同様の分布を見せているが、トンネル接合以外の寄生抵抗が存在する場合、抵抗の低い素子で見かけのTMR比が減少することが要因であり、微細加工による分布ではない。カラーマップの色が連続的かつ滑らかに変化していることからも歩留まり良くTMRセンサチップを作成できていることが分かる。また加えて、今回ウェハの前面に渡って約160%以上の高いTMR比を得ることに成功した。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig.1 ウェハ上に作製したTMRセンサの抵抗値(a)とTMR比(b)のマッピング
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
検討を進めるにあたり多大なるご協力を頂きました東北大学ナノテク融合技術支援センターのスタッフの皆様に感謝申し上げます。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件