【公開日：2024.07.25】【最終更新日：2024.04.22】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23BA0029
利用課題名 / Title
界面・薄膜の分光学的研究
利用した実施機関 / Support Institute
筑波大学 / Tsukuba Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用（ARIM事業参画者以外）/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】（主 / Main）計測・分析/Advanced Characterization（副 / Sub）-
【重要技術領域 / Important Technology Area】（主 / Main）その他/Others（副 / Sub）-
キーワード / Keywords
薄膜
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名（課題申請者）/ User Name (Project Applicant)
石橋 孝章
所属名 / Affiliation
筑波大学数理物質系
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
近藤正人,野嶋優妃,永井さえ
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
谷川俊太郎,岡野彩子,俵妙
利用形態 / Support Type
（主 / Main）機器利用/Equipment Utilization（副 / Sub）,技術補助/Technical Assistance
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
BA-002：スパッタリング装置
BA-006：走査型プローブ顕微鏡
報告書データ / Report
概要（目的・用途・実施内容）/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
我々は、ヘテロダイン検出振動和周波発生（HD-VSFG）分光で、固液界面の試料の構造や配向を研究している。そのための基板として、シリカ薄膜をコートしたフッ化カルシウム基板（シリカコートCaF2基板）を製作することが目的である。本研究では、スパッタリング装置（CFS-4EP-LL, 芝浦メカトロニクス）を、シリカコート基板の作製のために用いた。前年度に、シリカコート基板を何枚か試作したが、年度終盤に試作した基板に、上手く試料が保持できないという問題が生じた。この問題の原因究明のための追試が、本年度申請での実施内容である。
実験 / Experimental
フッ化カルシウム（CaF2)平行平面基板（φ20xt5）の平面に、約100 nmのシリカ薄膜を、スパッタ装置（CFS-4EP-LL, 芝浦メカトロニクス)を用いて作製した。この際、スパッタ装置への基板の固定方法として、自作の治具（図1）を用いる方法と、両面テープで固定する方法の二つを試した。これは、前年に作製した基板に問題が生じた理由が、自作の治具を用いたせいであるかどうかを明らかにするためである。
結果と考察 / Results and Discussion
作製した基板のシリカコート面と非コート面の両面に、DPPCというリン脂質の単分子膜（ラングミュアブロジェット（LB）膜）を累積させ、そのHD-VSFGスペクトルを測定した。治具を用いて固定する方法で得た基板について、コート面と非コート面で得られたスペクトルを図2に示す。非コート面に累積させたLB膜のスペクトル（灰色）には、2880、2941、 2969 cm-1にDPPCの振動SFGバンドが観られている。一方で、シリカをコートした面のLB膜のスペクトル（赤）には、SFG信号が全く見られなかった。この結果は、前年度終盤に試作した基板に見られた問題と同様のものであった。治具を用いずに、両面テープで固定する方法で得た基板についても、同様で、シリカコート面のLB膜からはSFG信号が生じず、非コート面のLB膜からのみ、SFG信号が観測された。この結果から、スパッタ装置への基板の固定方法として自作の治具を用いたことが、前年に問題が生じた理由ではないことが分かった。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 スパッタ装置に基板を固定するための自作の治具の写真
図2 シリカコートCaF2薄膜に累積させたリン脂質DPPCのLB膜のHD-VSFGスペクトル。コート面（赤），非コート面（灰）
その他・特記事項（参考文献・謝辞等） / Remarks(References and Acknowledgements)
スパッタ装置の利用の際には、筑波大学ARIMスタッフの谷川俊太郎様、岡野彩子様、俵妙様に多くのご助言と協力を頂きました。深く感謝申し上げます。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング（DOIのあるもの） / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications：0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents：0件