利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.17】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23NM0144

利用課題名 / Title

NiO/β-Ga2O3のTEMによる構造解析

利用した実施機関 / Support Institute

物質・材料研究機構 / NIMS

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion

キーワード / Keywords

エレクトロデバイス/ Electronic device,電子顕微鏡/ Electronic microscope,パワーエレクトロニクス/ Power electronics


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

山口 博隆

所属名 / Affiliation

産業技術総合研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

反保 衆志

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

伊坂 紀子,中山 佳子,武富 麻衣

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NM-509:デュアルビーム加工観察装置
NM-503:200kV電界放出形透過電子顕微鏡(JEM-2100F1)
NM-504:200kV電界放出形透過電子顕微鏡(JEM-2100F2)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

 パワーエレクトロニクス材料として期待されている斜方晶系酸化ガリウム(β-Ga2O3)基板上に形成されたNiO層の結晶性および基板との方位関係をTEMによって解析した。β-Ga2O3はドーピングによるp型化が困難であるため、デバイス応用が制限されている。産総研では、MBE法による酸化物半導体成膜技術を適用して、β-Ga2O3基板上にNiOの高品質薄膜の接合によるp-n接合の実現を目指している。本研究では、TEMによってヘテロ界面の評価を目的としている。今回は、基板とヘテロ接合膜の方位関係を明らかにした。

実験 / Experimental

 試料は、β-Ga2O3基板上にNiOをMBE法で成膜されたものである。β-Ga2O3基板の表面方位は(010)、(001)、(-201)の3種類である。X線回折による評価では、いずれの膜も単相であること、および基板とNiO膜との方位関係が図1のようであることがわかっている。各試料から図1の青線で示した面をFIBで切り出したものを試料とし、青矢印の方向から観察した。

結果と考察 / Results and Discussion

 TEMによるNiO膜の結晶方位の観察結果を図2に示す。基板方位(010)、(-201)、(001)に対して、NiOの表面方位はそれぞれ、(110)、(111)、(331)であった。これらの結果は、面内方位も含め、Nakagomi et al.[1]による報告と一致していた。これによって、MBE法によってβ-Ga2O3の基板上にNiOが単相の配向膜として成長されたことを確認した。今後、さらに高分解観察によって、ヘテロ接合界面や欠陥の観察を続ける予定である。これによって、β-Ga2O3のp-n接合を実現し、そのデバイス応用の実用化を目指していく予定である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 β-Ga2O3基板の方位(黒字)、TEM試料の切り出し面(太青線)と観察方向(青矢印)、NiOの結晶方位(赤字)。



図2(a) NiO/β-Ga2O3(010)のTEM観察結果



図2(b) NiO/β-Ga2O3(-201)のTEM観察結果



図2(c) NiO/β-Ga2O3(001)のTEM観察結果


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

NiO/β-Ga2O3試料は、ノベルクリスタルテクノロジー中田氏によって作製された。参考文献[1] S. Nakagomi, T. Yasuda and Y. Kokubun, Phys. Status Solidi B 257 1900669 (2020).


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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