利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.08】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23NM0117

利用課題名 / Title

平行平板電極による免疫センサの開発

利用した実施機関 / Support Institute

物質・材料研究機構 / NIMS

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代バイオマテリアル/Next-generation biomaterials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

免疫センサ,抗原抗体反応,バイオセンサ/ Biosensor,蒸着・成膜/ Vapor deposition/film formation,CVD,スパッタリング/ Sputtering,リソグラフィ/ Lithography


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

大貫 等

所属名 / Affiliation

東京海洋大学 海洋工学部 海洋電子機械工学部門

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NM-656:ダイシングソー [DAD3220]
NM-604:マスクレス露光装置 [DL-1000/NC2P]
NM-613:リフトオフ装置 [KLO-150CBU]
NM-607:スパッタ装置 [CFS-4EP-LL #3]
NM-612:SiNプラズマCVD装置 [PD-220NL]


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

メラトニンの体液中の濃度は一日を周期として変化し、睡眠作用をもたらすことから睡眠ホルモンとして知られている。メラトニンサイクルの乱れは睡眠障害、糖尿病、がんなどが原因である可能性がある。そのため日常的なメラトニンの検出はそれらの病気の早期発見につながる可能性がある。本研究では、手軽に採取できる唾液中のメラトニン濃度を電気化学インピーダンス(EIS) 法で簡易且つ高感度に測定する技術の確立を目指した。具体的には、ARIMで作成した電極の表面上で抗原抗体反応を引き起し、反応前後の電荷移動抵抗Rct変化をEISで測定することでセンサとして機能するかを調べた。また、その結果が抗原抗体反応によるものあるのかを調べるために抗体の固定化なしの基板でも同様に実験を行った。

実験 / Experimental

テンパックス基板上に作用極として直径2 mmの円形Auパターン電極を蒸着し、電極の縁を厚さ5 µmのSiNで覆った。これにより円形電極は周囲より5 µm低い位置となる。同様に直径3 mmのAu電極パターンを蒸着し、その縁を5 µmのSiNで覆った。これら2枚の電極を向かい合わせに重ねることで10 µmのギャップを持つ平行平板電極を形成することができた。電極をピラニア洗浄した後、電極上にCOOH末端の自己組織化単分子膜を成膜した。さらにCOOH末端をEDC/NHSで活性化して抗メラトニン抗体を化学結合し、メラトニンセンサとした。本センサを測定溶液に浸し、表面に固定化された抗メラトニン抗体に特異吸着するメラトニン分子の量をEIS法によるRctの変化より評価した。

結果と考察 / Results and Discussion

抗メラトニン抗体の固定化を行った基板のEIS測定から得られたRct値の濃度依存性をFig。1 に示す。対数濃度10-14 mol/L~10-10 mol/LにおいてRctが直線的に増加することが分かる。唾液中のメラトニン濃度10-13 mol/L~10-11 mol/Lであり、その範囲でセンサ利用が可能であることが分かった。一方、抗体を固定化せず、不活性なブロッキング処理のみを施した基板ではRctの増加は見られなかった。この振る舞いの違いは、抗体固定化した基板で得られる信号が、メラトニン-抗メラトニン抗体間の抗原抗体反応を捉えていることを示している。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig. 1 校正曲線


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 岡泉飛勇,藤本隆正,柴田恭幸,呉海云,遠藤英明,大貫等「抗原抗体反応を用いたメラトニンセンサの開発」第71回応用物理学会春季学術講演会 令和6年3月22日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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