【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.11】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23NM0057
利用課題名 / Title
金属半導体接合における界面状態の新機能開発
利用した実施機関 / Support Institute
物質・材料研究機構 / NIMS
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials
キーワード / Keywords
表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control,原子薄膜/ Atomic thin film,超伝導/ Superconductivity,原子層薄膜/ Atomic layer thin film
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
石黒 亮輔
所属名 / Affiliation
日本女子大学 理学部数物情報科学科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
新井田麗衣,光武美晴,尾上里奈
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
渡辺英一郎,河野久雄,澤部由美子
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NM-660:マスクレス露光装置 [MLA150]
NM-604:マスクレス露光装置 [DL-1000/NC2P]
NM-605:水蒸気プラズマ洗浄装置 [AQ-500 #1]
NM-609:電子銃型蒸着装置 [ADS-E86]
NM-610:電子銃型蒸着装置 [RDEB-1206K]
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
本研究は金属と半導体との接合界面における障壁と界面状態における新機能の開発を目的とする。本研究では、半導体として二硫化モリブデンMoS2やMoTe2等の遷移金属ダイカルコゲナイド層状物質を用いた二次元半導体のほか酸化亜鉛(ZnO)などを用い、金属として常磁性金属であるTi、強磁性金属であるNi、反強磁性金属であるCr、また超伝導物質であるNbやNbNを用い、これらの半導体と金属の間に形成される界面状態の性質を明らかにすること、界面状態と障壁の制御、界面状態と障壁を利用した新規デバイスの開発を目指している。このため本研究では電気二重層トランジスタ構造を持つデバイスを作製し、チャネルにおける電流パスを制限することで、これまでの研究とは異なった視点で界面状態の研究利用を行っている。
実験 / Experimental
本研究では、遷移金属ダイカルコゲナイト層状物質であるMoS2を劈開法によって薄くした小片をアドレスマークを付けた基板上に転写し、転写された二次元半導体の小片にフォトリソグラフィーによって電極を形成し、少量のイオン液体を試料上に付着させることで、液体トップゲートをもつ電気二重層トランジスタ構造を作製した。金属電極については物理蒸着法により半導体金属界面の金属が常磁性金属になるTi/Au電極、強磁性金属になるNi/Au電極、反強磁性金属となるCr/Au電極によって形成した。作製した試料は同じ金属電極でも接触抵抗値が3桁以上の違いが出るため、アニールが必要であるが、これまでのアニール条件では接触抵抗が変化しない資料もあったのでアニール条件の検討を行った。接触抵抗がある程度改善した試料についてはトップゲート依存性、バックゲート依存性、室温から5K程度までの温度依存性、バイアス電圧依存性等により界面状態と障壁の性質について検証した。
結果と考察 / Results and Discussion
二次元半導体としてMoS2、金属電極として常磁性金属になるTi/Au電極、強磁性金属になるNi/Au電極、反強磁性金属となるCr/Au電極によって固体バックゲートとイオントップゲートを併用可能な電界効果トランジスタ構造の作製しそのゲート動作を確認した。これまでの研究で界面状態と接合抵抗に深い関係があることが示されており、界面状態に関係する超伝導についても低い接触抵抗をを実現すことが必要な傾向があることが分かっているが、現状歩留まりは極めて悪い。ただしアニール効果なども確認されたため、このアニール条件の最適化のために、アニール雰囲気の変更や温度の変更などを試みた。Ti/Au電極とNi/Au電極については約200℃の真空アニールによって接触抵抗の改善が見られたが、Cr/Au電極については200℃では接触抵抗の改善はみられなかったがアルゴン水素雰囲気中での400℃のアニールによって接触程度の改善が見られた。一方で500℃のアニールにおいてはMoS2の段部分で段切れが発生することがSEMによる観測で確認された。これは用いたMoS2の厚さが厚かったためだと考えられるが、一方で子のアニール温度が金属電極の形状に影響を及ぼすのに十分だといえることも分かった。今後はより薄いMoS2小片を用いさらなるアニール条件の最適化を目指す。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件