【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.13】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23NM5186
利用課題名 / Title
二次元ヘテロ構造デバイスの研究
利用した実施機関 / Support Institute
物質・材料研究機構 / NIMS
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者)/Internal Use (by ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
グラフェン,六方晶窒化ホウ素,カーボン系材料,薄膜
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
岩崎 拓哉
所属名 / Affiliation
物質・材料研究機構
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
佐藤 遥大,杉野 温貴,熊谷 直紀,大胡 真実
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
渡辺 英一郎
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NM-601:電子ビーム描画装置 [ELS-F125]
NM-610:電子銃型蒸着装置 [RDEB-1206K]
NM-609:電子銃型蒸着装置 [ADS-E86]
NM-614:CCP-RIE装置 [RIE-200NL]
NM-611:原子層堆積装置 [AD-230LP]
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
グラフェンをはじめとする二次元層状物質を積層したファンデルワールスヘテロ構造では、材料の組み合わせ・積層角度等、従来の材料では成しえなかった自由度が制御可能となり、新奇物理現象およびデバイス機能発現が期待されている。本研究では、二次元ヘテロ構造を用いた量子・電子・光デバイスにおける新奇物性の探索・制御およびデバイス機能の開拓を目的とする。デバイスの微細加工実施および二次元物質準備用アドレスマーク基板を作製するために、共用設備を用いる。
実験 / Experimental
使用装置:NM-604、NM-605、NM-606、NM-613、NM-619、NM-621、NM-622、NM-629
別の設備で作製したグラフェン、六方晶窒化ホウ素(hBN)、遷移金属ダイカルコゲナイド(TMD)を基礎とする積層ヘテロ構造に対し、電子ビーム描画装置(NM-601)を利用し微細構造パターンを描画した。コンタクト電極およびゲート電極を作製するために、電子銃型蒸着装置(NM-609,NM-610)により、金属を蒸着した。または、エッチングをするためにCCP-RIE装置(NM-614)を使用した。ゲート絶縁膜(Al2O3)を製膜するために、原子層堆積装置(NM-611)を利用した。
結果と考察 / Results and Discussion
微細加工設備により、グラフェンデュアルゲート型ホールバー、グラフェン量子ポイントコンタクト、グラフェン量子ドット、グラフェン光検出器、TMDメモリデバイスの作製を行った。グラフェンデバイス作製に関して、hBN/グラフェン/hBN/グラファイトの積層ヘテロ構造において、グラファイトとリークしないようにグラフェンへのコンタクト電極を作製する必要がある。そこで、上部hBNを選択的にエッチングし、グラフェンでエッチングをストップするプロセスの開発を行った。RIE装置において、SF6、CF4、CHF3プラズマを試したところ、SF6によるプラズマがグラフェンとhBNの選択比が最も大きくなることが分かった。このプロセスによるコンタクト電極を有するデバイスの電気抵抗の温度依存性を調べた結果、極低温までオーミック特性が確認でき、良質なコンタクトができていることを確認した。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
作製したhBN/二層グラフェン/hBN/グラファイトホールバーデバイスの光学顕微鏡写真
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
電子線描画装置をはじめとする様々な装置のトラブル時に、丁寧に対応してくださった技術スタッフの皆様に感謝申し上げます。特に、微細構造のパターニング、リフトオフに関して相談させていただきました技術スタッフの方に深く感謝申し上げます。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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Takuya Iwasaki, Dual gating and manipulation of the quantum valley currents in hBN/bilayer-graphene superlattices, Extended Abstracts of the 2023 International Conference on Solid State Devices and Materials, , (2023).
DOI: https://doi.org/10.7567/SSDM.2023.A-8-02
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Yoshifumi Morita, Dual gating of hBN/bilayer-graphene superlattices: band-engineering and doping a Dirac material, Extended Abstracts of the 2023 International Conference on Solid State Devices and Materials, , (2023).
DOI: https://doi.org/10.7567/SSDM.2023.A-8-01
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- Takuya Iwasaki, Yoshifumi Morita, Kenji Watanabe, and Takashi Taniguchi, Gapped Dirac materials and quantum valley currents in dual-gated hBN/bilayer-graphene heterostructures, Phys. Rev. B (accepted)
- 佐藤 遥大, 李 恒, 高橋 典華, 森山 悟士, 河野 行雄, 渡邊 賢司, 谷口 尚, 藤方 潤一, 岩﨑 拓哉, hBN/グラフェン/hBNによるNIR~THz光検出に向けた素子の評価, 電気学会 電子材料研究会, 2023年11月22-23日
- 岩﨑 拓哉, グラフェン/六方晶窒化ホウ素超格子の量子輸送特性, 電気学会 電子材料研究会, 2023年11月22-23日 (招待講演)
- Takuya Iwasaki, Recent progress on graphene quantum dot devices, Quantum Innovation 2023, Tokyo Convention Hall, Japan, Nov. 15-17, 2023 (invited talk)
- Takuya Iwasaki, Quantum Transport Properties in Bilayer Graphene Superlattices, MANA International Symposium 2023, Tsukuba, Japan, Nov. 9-10, 2023.
- Takuya Iwasaki, Tunable energy gap and a phase transition in bilayer graphene/hexagonal boron nitride superlattices, Quantum Phenomena in 2D Matter, San Sebastian, Spain, July 17-21, 2023 (invited talk)
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件