【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.09】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23NM5067
利用課題名 / Title
GaN半導体の低抵抗オーム性電極の作製
利用した実施機関 / Support Institute
物質・材料研究機構 / NIMS
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者)/Internal Use (by ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion
キーワード / Keywords
次世代半導体, パワー半導体, GaN, オーム性電極, オーミックコンタクト,蒸着・成膜/ Vapor deposition/film formation,スパッタリング/ Sputtering,光リソグラフィ/ Photolithgraphy,膜加工・エッチング/ Film processing/etching,光学顕微鏡/ Optical microscope,X線回折/ X-ray diffraction,高周波デバイス/ High frequency device,エレクトロデバイス/ Electronic device,ワイドギャップ半導体/ Wide gap semiconductor,パワーエレクトロニクス/ Power electronics
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
小出 康夫
所属名 / Affiliation
物質・材料研究機構
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
岡村 雅之
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
渡辺 英一郎,大里 啓孝
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NM-604:マスクレス露光装置 [DL-1000/NC2P]
NM-607:スパッタ装置 [CFS-4EP-LL #3]
NM-609:電子銃型蒸着装置 [ADS-E86]
NM-201:多環境場対応型X線単結晶構造解析装置
NM-621:FE-SEM [S-4800]
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
GaNを中心とするⅢ色族窒化物半導体は、緑色、青色、白色、紫外LEDおよびLDに市場を獲得し、次世代の高出力・高周波デバイス材料としても期待されている。これらのデバイスの性能と信頼性を向上させるために、p-GaNの低抵抗オーミックコンタクト材料の開発は、1993年の青色LEDの発表から現在に至っても重要な開発課題の一つである。低抵抗オーミックコンタクト材料の開発指針は、金属/半導体(M/S)界面にメタラジー反応から高ドーパント濃度の半導体中間層(ISL)または低エネルギー障壁(φB)のISLを形成させることである。p-GaNの場合、M/S界面での電気的損失は非常に大きくなる。大きな電圧降下はM/S界面でジュール熱を発生させ、デバイスの信頼性を低下させるため、p-GaNの低抵抗オーミックコンタクト材料の開発は極めて重要な課題である。金属と化合物半導体界面での金属学的反応には3つ以上の元素が関与するため、多成分反応の基礎研究が今日でも不足しているため、特定の化合物半導体に低いコンタクト抵抗を提供する元素の選択指針を構築することは難しい状況である。p-GaNの場合、主な問題はp型ドーパントが高濃度に固溶したISLを形成することが難しいこと、また低φB ISLとなるp型半導体を形成する元素がまだ発掘されていないことにある。一方、新しい現象として、コンタクト材の酸素雰囲気下の熱処理やInSnOコンタクト材がコンタクト抵抗率減少に有効であることが見いだされている。本研究においては、まずはIn系酸化物コンタクト材の微細構造解析と電気特性を調べることによって、オーム性のメカニズムを明らかにすることにある。
実験 / Experimental
n-GaN(0001)基板上にInSnO(ITO)膜を28nmスパッタリング法により成膜し、N2雰囲気下で500から700℃の範囲で2分間熱処理を行った。GaN/ITO膜の熱処理前後の微細構造解析をX線回折法により探索した。同様に、n-GaNおよびn-GaN/p-GaNエピ膜上にITO膜を堆積させ、リフトオフ法により、2, 4, 6, 8μmギャップ間隔をもつ円形ドット電極を作製した。図1に作製された円形ドット電極構造を示す。
結果と考察 / Results and Discussion
図2にn-GaN/ITO膜の500, 600, 700℃熱処理前後のX線回折パターンを示す。GaN基板の(0002)及び(0004)反射及び二重反射による(0003)回折ピークが観察される。600℃熱処理後に●に記載する新たな反応生成物が観察され、GaNとエピタキシャル関係にある。700℃には▼に記載する新たな反応生成物の形成が観察される。●印ピークは、InGaNOからなる生成物と考えられる。このピークはGaN/ITO膜およびGaN/In2O3膜、更にはGaN/In膜においても同様に再現性良く観測される。コンタクト電気特性への影響が興味深い。図1のドット電極を用いたコンタクト抵抗は今後の測定していく予定である。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1.リフトオフ法によって形成するギャップ間隔2, 4, 6, 8μmの円形ドット電極のパターン図
図2.n-GaN(0001)/ITO膜の熱処理前後のX線回折パターン
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件