【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.04】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23HK0113
利用課題名 / Title
半導体量子ドットを用いた光スピン機能性素子の作製
利用した実施機関 / Support Institute
北海道大学 / Hokkaido Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
電子顕微鏡/ Electronic microscope,表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control,集束イオンビーム/ Focused ion beam,スピントロニクス/ Spintronics,量子効果/ Quantum effect
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
村山 明宏
所属名 / Affiliation
大学院情報科学研究院 情報エレクトロニクス部門
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
樋浦諭志,高山純一
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
澤厚貴,大多亮
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術代行/Technology Substitution
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
HK-101:ダブル球面収差補正走査透過型電子顕微鏡
HK-304:集束イオンビーム加工・観察装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
複合ビーム加工観察装置FIB-SEM JIB-4600F/HKD(日本電子)によるバルクピックアップ法を用いて、半導体ナノ構造の断面観察用薄片試料を作製した。その後、高分解能3次元構造評価装置Titan(日本エフイー・アイ)による高分解能STEM/TEM観察およびEDSによる元素分析を行い、試料の微細構造解析を行った。
実験 / Experimental
多層InGaAs量子ドットならびに希薄窒化InGaNAs量子ドットを分子線エピタキシー法によりGaAs基板上にエピタキシャル成長させた。多層InGaAs量子ドットについては、量子ドットの積層数を1層から10層まで変化させ、InGaNAs量子ドットについては量子ドットの成長温度を480℃から420℃まで変化させた。これらの試料を、FIBを用いたバルクピック法などにより断面観察用薄片試料として加工した。本試料は、FIBのイオンビームによる損傷を受けやすいため、FIBにより作成した薄片試料をイオンミリングによる表面処理により損傷を受けた部位を取り除いた。この際、エッチング残渣が試料へ再付着しないよう様々な対策を行った。作製した薄片試料の構造条件や成長条件による量子ドットの形状や組成の違いを観察するため、高分解能3次元構造評価装置Titan(日本エフ・イー・アイ)によって、Bright-Field-STEM, HAADF-STEM, EDS-STEMにより構造分析を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
STEM観察の結果から、我々の装置で成長した半導体ナノ構造について、高品質な結晶が成長できていることが確認された。コントラストがつきにくい量子ドットも明瞭な像が得られた。その結果、多層InGaAs量子ドットについては、積層数の増加とともにドットサイズが徐々に増加することがわかった。また、InGaNAs量子ドットについては、成長温度を下げることでドットサイズが小さくなることがわかった。さらに、量子ドットの成長に先立って形成される平坦薄膜層(濡れ層)の高さを詳細に評価することができた。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 近藤直, 樋浦諭志, 高山純一, 村山明宏, "GaAsスペーサー層の成長中断を設けた多層InGaAs量子ドットの円偏光発光特性" 第84回応用物理学会秋季学術講演会(熊本), 令和5年9月
- 森田彩乃, 樋浦諭志, 高山純一, 村山明宏, "希薄窒化InGaAsN量子ドットの円偏光発光特性; 成長温度依存性" 第71回応用物理学会春季学術講演会(東京), 令和6年3月
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件