【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.28】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23HK0040
利用課題名 / Title
ボイドスエリングの大幅低減を目指した高燃焼度炉心材料用ハイエントロピー合金の創製
利用した実施機関 / Support Institute
北海道大学 / Hokkaido Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
原子力材料,電子顕微鏡/ Electronic microscope,集束イオンビーム/ Focused ion beam,イオンミリング/ Ion milling,X線回折/ X-ray diffraction,電子回折/ Electron diffraction
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
岡 弘
所属名 / Affiliation
北海道大学大学院工学研究院材料科学部門
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
新野拓夢,小出隼司
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
遠堂敬史,澤厚貴
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術代行/Technology Substitution
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
HK-101:ダブル球面収差補正走査透過型電子顕微鏡
HK-103:マルチビーム超高圧電子顕微鏡
HK-301:環境セル対応透過電子顕微鏡
HK-304:集束イオンビーム加工・観察装置
HK-403:集束イオンビーム加工装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
第4世代原子炉(ナトリウム冷却高速炉やモジュール炉)の炉心材料は、500~700℃程度の高温で損傷量250dpaを超える重度の中性子照射を受けることが予想される。そのような条件下において、炉心材料にとって最も重要な課題は、中性子照射により部材の体積が増加するボイドスエリングである。照射によるボイドスエリングを大幅に低減することを目指し、優れた材料特性を有するハイエントロピー合金に対し、照射による欠陥の消滅場所となるナノサイズ粒子を材料内部に微細かつ高密度に分散することで、耐ボイドスエリング性を付与した新しい合金を創製する。
実験 / Experimental
ナノサイズ粒子を内部に微細かつ高密度に分散したCrFeMnNi系合金をメカニカルアロイング法及び放電プラズマ焼結により作製した。当該合金(ODS-HEA)を電解研磨により薄膜化し、北海道大学の超高圧電子顕微鏡(JEM-ARM1300)を使用して500℃における電子線照射その場観察を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
電子線照射によってODS-HEA内にキャビティの形成が確認され、その面密度は比較材であるODS-316Lに比べて減少した。これは、HEA母相の格子ひずみにより点欠陥の移動が抑制され、キャビティの核形成が抑制されたことを示唆している。一方、ヘリウムを予注入したODS-HEAでは、ヘリウムを予注入していないODS-HEAに比べキャビティ密度は増加した。これは、ヘリウムと空孔の相互作用によりキャビティ核が安定化した結果だと考えられる。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件