利用報告書 / User's Report

【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.26】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22NM0058

利用課題名 / Title

走査型熱電応答顕微鏡を用いたPt/Si界面における熱電特性評価

利用した実施機関 / Support Institute

物質・材料研究機構

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

電子顕微鏡/Electron microscopy,走査プローブ顕微鏡/Scanning probe microscopy,熱電材料


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

霜鳥 由季

所属名 / Affiliation

東京理科大学

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術補助/Technical Assistance(副 / Sub),機器利用/Equipment Utilization


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NM-604:マスクレス露光装置 [DL-1000/NC2P]
NM-608:スパッタ装置 [JSP-8000]
NM-629:ダイシングソー [DAD322]
NM-605:水蒸気プラズマ洗浄装置 [AQ-500 #1]


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

マクロに観測される熱電特性は、粒界や金属界面を含む不均一構造における物性を反映している。特に界面においては熱と電子の輸送特性に違いが生じ、熱電変換現象が特異的に変化することが知られているが、その定量的な評価や解釈はなされていない。本研究では、界面における熱電変換現象の基礎理解を目的とし、走査型プローブ顕微法(SPM)を用いた局所熱電特性の評価を行うこととした。この界面における特性評価を行う上で、バルクと界面における電気伝導と熱伝導特性の違いを明らかにすることが重要であり、リソグラフィ技術を用いて、様々に温度勾配が異なる領域有する試料を作製した。 

実験 / Experimental

Si基板に対し、フッ酸処理を行ったのち、スピンコートによりレジストを塗布した。続いて高速マスクレス露光装置を用いてパターニングを行い、スパッタでPt膜を形成したのち、リフトオフによりμmオーダーのPtパターンを形成した。その後、Si基板をダイジングソーを用いて7 mm四方にカットし、測定用の試料とした。

結果と考察 / Results and Discussion

作製したパターンのAFM像をFig.1に示す。四角形状の領域はSi基板上に形成されたPt薄膜であり、その膜厚が中央部においては、500 nmとなっていることを確認した。一方で、膜の端部においては、Pt層が隆起しており、膜厚は局所的ではあるが1000 nmになっていることが判明した。これは2層レジストによるリフトオフを行った際に、Pt膜の厚さに対しレジストの厚さが不十分であったために、このような端部の隆起が生じたと考えられる。以上の結果を踏まえ、レジスト材料を変更し、レジスト膜厚を変えてリフトオフを行った。その結果がFig.2である。中央部の膜厚が最大500 nmであり、端部に行くにしたがって、徐々に膜厚が薄くなっているPt膜試料を作製することができた。このように連続的に膜厚が減少する領域の電気伝導度の分布を計測することによって、Pt/Si界面に一定に存在する界面抵抗が熱電特性にどのような影響を及ぼすかを可視化できるようになると期待される。今後は、得られた試料を用いて、SPMでの熱電特性の評価を行っていく予定である。 

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig.1 試料表面におけるHight像



Fig.2 試料表面におけるAmplitude像


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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