【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.09】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22NM0009
利用課題名 / Title
CMOSプロセスを用いたSi熱電発電集積デバイスの開発
利用した実施機関 / Support Institute
物質・材料研究機構 / NIMS
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions
キーワード / Keywords
リソグラフィ/Lithography,膜加工・エッチング/Film processing and Etching,スパッタリング/Sputtering,蒸着・成膜/Evaporation and Deposition,CVD,熱電材料/ Thermoelectric material
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
柏崎 翼
所属名 / Affiliation
早稲田大学
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
新井 崇平,空閑 敬大,CAO Zhi
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術代行/Technology Substitution
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NM-612:SiNプラズマCVD装置 [PD-220NL]
NM-604:マスクレス露光装置 [DL-1000/NC2P]
NM-605:水蒸気プラズマ洗浄装置 [AQ-500 #1]
NM-607:スパッタ装置 [CFS-4EP-LL #3]
NM-614:CCP-RIE装置 [RIE-200NL]
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
筆者らはSi微細加工技術を用いて作製する微小熱電発電デバイス(Micro Thermoelectric Generator: μ-TEG)の開発を行っている。筆者らのグループが提案するデバイスは、外部熱源から導熱路(Heat guide; HG)によって基板に熱を局所注入し、発電部に形成した温度差で発電する。そのため、HGによる熱流制御が発電性能向上にとって重要となる。先行研究では単段デバイスにおいて、HGを厚くすることで発電性能が向上することを明らかにした[1]。本研究では、37572段の集積デバイスを作製し、集積デバイスおけるHGが発電性能に与える影響を調査した。
実験 / Experimental
今回2種類のHG厚さを持つ集積µ-TEGを作製した。集積されている単位構造の模式図をFig. 1に示す。このµ-TEGでは、上部から熱源を接触させたとき、層間絶縁膜(Inter-layer dielectric; ILD)に比べて熱伝導率が2桁高いAl-HGを通して選択的に熱を注入する。HG厚さは400nmと800nmの2種類で、HG厚さに合わせILD厚さも変更した。
今回、第一配線層までの精密加工は産業技術総合研究所に依頼した。第一配線層加工に次ぐ、熱注入層の加工をNIMS微細加工プラットフォームを利用し実施した。第一配線層形成後、プラズマCVDによりILDを形成し、CCP-RIEによるエッチングで開けた孔に埋め込むように第二配線層を形成した。二層の配線は電気的に絶縁されており、第二配線層は熱注入を行うHGとして働く。
熱電特性の測定にあたっては、20℃に保たれたステージに測定基板を置き、上から25℃のヒーターを接触させ、5℃の温度差を基板表面と裏面の間に印可したときの電気抵抗と開放電圧VOCを測定した。
結果と考察 / Results and Discussion
µ-TEGの電気抵抗はHG厚さに依らない結果を得た。これは二層の配線層同士を電気的に絶縁させることが出来ていることを示している。また、HGを400nmから800nmに厚くすることでVOCが約4倍上昇した。これは、ILDが厚くなることで、デバイスのSi-NWのコールド側端への熱流が抑制され、Si-NW両端の温度差が増加したためだと考えられる。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1 集積μ-TEG の単位構造
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
【謝辞】
本研究はJST-CREST(JPMJCR15Q7、JPMJCR19Q5) 及び科研費(22H01530)の支援により実施された。
【参考文献】
[1] T. Kashizaki, et al., Jpn. J. Appl. Phys. 61, SC1017(2022).
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- 空閑 敬大, 柏崎 翼, 新井 崇平, 松木 武雄, 渡邉 孝信, 第70回応用物理学会春季学術講演会, 2023年3月
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件