利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.05.12】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22UT1089

利用課題名 / Title

極薄膜成膜実験用石英ガラス基板の前処理検討/Pretreatment of quartz glass substrates for ultra thin film deposition experiments

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

蒸着・成膜/Evaporation and Deposition,スパッタリング/Sputtering,リソグラフィ/Lithography,膜加工・エッチング/Film processing and Etching,走査プローブ顕微鏡/Scanning probe microscopy,高品質プロセス材料/ High quality process materials


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

本川 剛治

所属名 / Affiliation

キオクシア 株式会社 マスク技術課

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

飯田 典子

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

太田 悦子,水島 彩子,三角 啓

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術補助/Technical Assistance


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-703:8インチ汎用スパッタ装置
UT-850:形状・膜厚・電気特性評価装置群
UT-606:汎用平行平板RIE装置
UT-859:小型原子間力顕微鏡
UT-307:走査型プローブ顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

半導体リソグラフィーに使用する石英ガラス基板の平坦化に関する研究を行っている。現在は、石英ガラス基板に超薄膜を形成した時の表面ラフネスの挙動を検証している。今回の武田CRの機器利用では、その検証で使用する石英ガラス基板の前処理を検討し、具体的には、SiO2スパッタ膜速度おける基板と電極の間のスペーサ厚の依存性を調べた。

実験 / Experimental

今回の成膜実験では、8インチ汎用スパッタ装置(SIH-450)を利用した。この装置では、1バッチで8枚の4インチ基板が成膜可能である。そこで、電極と成膜サンプルの間にスペーサを配置することにより、成膜膜厚の異なるサンプルの作製が可能であるのかを実験した。スペーサの材質・厚みは、シリコン(0.55/1.1/6.4 mm厚)と石英ガラス(1/2/4/6 mm厚)のものを用意した。
成膜条件は本装置(SIH-450)のSiO標準条件[Ar_50 sccm/RF_1000W]を使用し、30分間シリコン基板に成膜した。リファレンスとしてスペーサを配置していないサンプルも同時に成膜した。(Figure 1.ではスペーサ厚0 mmとして記載)
SiO2の成膜膜厚は、光干渉式膜厚計(Tohospec3100)を用いて計測した。

結果と考察 / Results and Discussion

成膜実験結果Figure 1.に示す通り、283 nm から 320 nm のSiO2成膜サンプルを1バッチの成膜で得ることができ、
スペーサの材質をシリコンと石英ガラスの2種類とすることで、この成膜膜厚範囲内で任意の成膜膜厚のサンプルを作製可能であることが解った。今回は成膜膜厚に注目したが、これからは工夫を加えて表面ラフネスなどの膜特性の異なる成膜サンプルを1バッチの成膜で得ることを考えている。これは成膜研究の分野で盛んに行われているコンビナトリアル技術に通じるもので、成膜と計測技術を融合させて短時間で多くのデータを得ることを期待している。今後、表面ラフネスの挙動を検証するためのサンプル作製をしていく予定である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Figure 1. SiO2成膜膜厚のスペーサ厚依存性


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

今回の結果は、石英ガラス基板の表面ラフネスに関する研究に使用するサンプルの前処理に関するもので、まだ予備的検討でありこれからサンプル作製への準備を進めていくことを考えている。これらの検討においては、たくさんの武田CRのメンバーの方にお世話になりました。計測においては太田さん、成膜においては水島さん、これから本格的に挑戦するパターン形成に関しては三角さんに技術援助をしてもらいました。また、技術相談では落合さん、利用関係では渡邊さんにお世話になりました。
最後に、この素晴らしい実験環境の提供にご尽力してくれている三田先生をはじめとする先生方々・スタッフの皆さんに深く感謝しています。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 石英ガラス基板のラフネス挙動に関しては下記のメンバーで学会発表を予定している。メンバー名Abdelrahman Farghali1, Takeharu Motokawa2, Noriko Iida2, Junho Choi1・所属1 Department of Mechanical Engineering, The University of Tokyo (Japan) 所属2 Institute of Memory Technology Research & Development, Kioxia Corporation (Japan),学会名Photomask Japan 2023
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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