【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.16】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22BA0008
利用課題名 / Title
超ワイドバンドギャップ半導体材料を用いたデバイス作製
利用した実施機関 / Support Institute
筑波大学 / Tsukuba Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者)/Internal Use (by ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
蒸着・成膜/Evaporation and Deposition,CVD,リソグラフィ/Lithography,EB,膜加工・エッチング/Film processing and Etching,電子顕微鏡/Electron microscopy,走査プローブ顕微鏡/Scanning probe microscopy,パワーエレクトロニクス/ Power electronics,光導波路/ Optical waveguide
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
奥村 宏典
所属名 / Affiliation
筑波大学
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
都筑 康平,羽山 由梨
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
BA-009:パターン投影リソグラフィシステム
BA-004:電子線蒸着装置
BA-013:半導体特性評価システム
BA-012:反応性イオンエッチング装置
BA-022:超高温炉
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
ベータ型酸化ガリウムを用いたショットキーバリアダイオードの作製を行うため、筑波大学の設備を利用してデバイス加工および電気的特性評価を行った。
実験 / Experimental
1.Snドープ( Sn濃度 : 7.4x1018 cm-3)された 0.6 mm厚の n型 Ga2O3(001)基板の上に厚さ10 μmの意図的にドーピングされていないn-Ga2O3ドリフト層(Nd-Na=1.0x1016 cm-3)を成長したを成長した2インチ試料を用いた。ダイシング(BA-007)によりにより6 mm角にカットし角にカットした後、試料裏面を鏡面が出るまで平滑化した。研磨後の試料膜厚は300 μm程度である。
2. 試料表面に付着した有機物除去のため、アセトン (CH3COCH3)、イソプロパノール (IPA、C3H8O)、 超 純水の順に各 1分ずつ超音波洗浄機を用いて試料を洗浄した。その後、 N2ガスを用いて試料を乾燥させた。
3. 電子線蒸着装置(BA-004) を用いて、試料裏面にTi(20 nm)/Au(50 nm)を蒸着させた。
4. 高温炉(BA-022)を 用 いて、 N2雰囲気 下 1.6×102 Paで 550 ℃において 1分間熱処理 をした 。
5. スピンコーター(BA-011)を用いて試料上にフォトレジス ト AZ5214E を均一に塗布した。スピンコーター で は 、 試料を 10 秒間 500 rpmで回転後、 15 秒かけて 5000 rpmまで回転数を上昇させ、その後 5000 rpmで 30 秒間回転させた。ホットプレート を 用 いて 110 ℃で 2分間 、 試料 の ベーキング を 行 った。
6. 電子線蒸着装置(BA-004) を用いて、メタルマスクとして、Ni(50 nm)を蒸着させた。アセトン、 IPA、超純水の順に 各 1分ずつ 洗浄し、リフトオフした。
7. ドライエッチング(BA-023)を用いて、メサ構造を形成した。その後、硫酸+過酸化水素溶液でNiを除去した。
8. 触針式表面段差計(BA-014)でエッチング深さを計測した。
9. リソグラフィシステム( BA-009)を 用 いて 電極 パターン を 露光 (露光時間 30 μs、defocus: +2 後、現像液 NMD-3を用いて 1分間現像し た 。 その後超純水で 1分間洗浄し、 N2ガスを用いて試料を乾燥させた。
10. 電子線蒸着装置(BA-004) を用いて、 アノード 電極 にそれぞれ Ti(20 nm)/Au(50 nm)を 真空中 (7.8×10-5 Pa程度 )で 蒸着させた。アセトン、 IPA、超純水の順に 各 1分ずつ 洗浄し、リフトオフした。
11. プロセス後の表面および素子形状をそれぞれ走査型プローブ顕微鏡(BA-006)と電界放出型走査顕微鏡(BA-008)で観察した。
12. 半導体特性評価装置 (BA-013, BA-016, BA-017)で C-V、I-V特性評価を行った。
13. ワイヤボンダー(BA-024)を用いて、デバイスをパッケージにワイヤで接続した。
結果と考察 / Results and Discussion
本研究では、 β-Ga2O3(001)面 を 用 いた 縦型 ショットキー 障壁 ダイオード (SBD)の 作製 と 各種金属のショットキー障壁高さ (SBH)に関する 電気的特性評価 を行った。β-Ga2O3(001)面 を 用 いた 縦型 SBDにおける、 ショットキー の 最適 な 電極 と SBHを 調 べた。アノード電極に Ti(20 nm)/Au(50 nm)、 Cu(20 nm)/Au(50 nm)、 Ni(20 nm)/Au(50 nm)、 Pt(20 nm)/Au(50 nm)の 4種類 を 真空中 で 蒸着 させ た。 容量-電圧 (C-V)測定 から、 各 ショットキー電極の 実効的なドナー濃度、拡散電位、 SBHを求め 、 電流密度-電圧 (J-V)測定からは、 立ち上がり電圧、 オン抵抗 、 SBH、 n値 、および耐圧 を求めた 。 アノード電極Ti, Cu, Ni, Ptを用いたSBDを比較した結果、Pt電極の場合にn値 と逆方向電流において最も優れた特性を示した。 Pt/β-Ga2O3 (001) SBDにおいて、 特性 オン 抵抗 9.71 mΩcm2と、 476.7 Vの高耐圧を得ることに成功した。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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Hironori Okumura, Impurity diffusion in ion implanted AlN layers on sapphire substrates by thermal annealing, Japanese Journal of Applied Physics, 61, 026501(2022).
DOI: 10.35848/1347-4065/ac47aa
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Aboulaye Traoré, Photoconductivity buildup and decay kinetics in unintentionally doped β-Ga2O3, Japanese Journal of Applied Physics, 61, 091002(2022).
DOI: 10.35848/1347-4065/ac7f6e
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Hironori Okumura, Sn and Si doping of α-Al2O3 (10-10) layers grown by plasma-assisted molecular beam epitaxy, Japanese Journal of Applied Physics, 61, 125505(2022).
DOI: 10.35848/1347-4065/aca196
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Masataka Imura, Highly tolerant diamond Schottky barrier photodiodes for deep-ultraviolet xenon excimer lamp and protons detection, Functional Diamond, 2, 167-174(2022).
DOI: 10.1080/26941112.2022.2150526
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Hironori Okumura, Mg implantation in AlN layers on sapphire substrates, Japanese Journal of Applied Physics, 62, 020901(2023).
DOI: 10.35848/1347-4065/acb898
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件