【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.04.17】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22TU0021
利用課題名 / Title
SMS vacuum wafer-level package for resonator MEMS
利用した実施機関 / Support Institute
東北大学 / Tohoku Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
SMS,リゾネータ,ウェハレベルパッケージ,水素アニール,熱処理,接合,リソグラフィ/Lithography,膜加工・エッチング/Film processing and Etching,スパッタリング/Sputtering,MEMSデバイス,IoTセンサ
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
鈴木 裕輝夫
所属名 / Affiliation
東北大学 マイクロシステム融合研究開発センター
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ムハマンド カーン,ティアンジャオ ゴン,鈴木 裕輝夫,根本展聡,山田 駿介
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
森山 雅昭
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
TU-202:DeepRIE装置#2
TU-056:両面アライナ
TU-310:レーザ/白色共焦点顕微鏡
TU-063:i線ステッパ
TU-206:アルバックICP-RIE#2
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
MEMSは可動部を含むため空間を持たせてパッケージする必要があり,これをウェハ状態で行うウェハレベルパッケージ技術が不可欠となっている。特に,ジャイロセンサー,タイミングデバイスなど高真空下で高性能となるリゾネータMEMSでは,ウェハレベルパッケージに高真空封止が求められる。我々は,Epi-seal技術に代わる、高真空で,真空度調整可能なウェハレベルパッケージング技術としてシリコンマイグレーションシール(SMS)を研究開発している。4インチウェハをCAPとして直接接合し,CAP上のサブミクロンリリースホールをシリコン表面流動にて封止するSMS技術を実験的に試作研究する。本年度中にリゾネータを封止し,内部圧力を振動子のQ値により正確に評価し,数Paの真空封止をゲッター材無しに達成することを目標とする。
実験 / Experimental
リゾネータMEMSはSOIウェハの活性層にノッチング不良の少ないDeep RIE LFレシピにてパターニングを行った。CAPウェハ上のリリースホールの加工は,i線ステッパーの最適露光条件探索の高度な技術支援を受け,行った。リゾネータMEMSとCAPウェハの直接接合は自機関にて行い,最終接合熱処理を1100 ℃ BOX 140 minにて行った。CAPウェハ上のリリースホールを介して内部のリゾネータMEMSの犠牲層SiO2をエッチングし可動可能にリリースした。水素アニール装置にてリリースホールをシリコン表面流動にて閉塞すると共に内部の脱ガス成分は高温水素雰囲気により取り除く。リゾネータMEMS動作と計測のためのメタライゼーションをスパッタリング法により形成しSMSリゾネータMEMSは完成する。リゾネータの振動特性の評価は自機関にて行った。
結果と考察 / Results and Discussion
Fig. 1にi線ステッパーの条件出し時のSEM像を示す。露光条件以外のフォトリソ条件は,レジスト種TDMR-AR80 6cp,スピンコート 2000 rpm 20 s,プリベーク90 ℃ 90 s,PEB 110 ℃ 90 s,現像 TMAH2.38% 60 secとした。レジスト寸法とDRIE加工形状からFig. 1の赤枠の条件2800 J/cm2, offset + 0.2 μmに決定した。 完成したSMSリゾネータMEMSを145 ℃のオーブンで長時間加熱すると内部の水素が拡散排出される。水素拡散排出後にリゾネータMEMSからは共振周波数24.25kHzでQ値36759.9の発信を確認した。CAPにFIBにて貫通穴を開けたSMSリゾネータMEMSを真空計付き真空チャンバーに入れて同様な周波数特性評価を行ったところQ値36759.9は,約1.5 Paに相当することが分かった。 今後は水素拡散工程の効率化,高温放置下での長期Q値安定性の評価などを行い,SMSの実用化を目指す。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1 SEM image of photolithography resist
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
・参考文献 Y. Suzuki et al., Electron Comm Jpn.2021;104:120–125, 10.1002/ecj.12283
・NEDO「IoT社会実現のための革新的センシング技術開発」
・共同研究者:ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社;宮下英俊,本田志弥。Fraunhofer Institute for Electronic Nano Systems; Karla Hiller
・その他ARIM利用機関:産総研NPF(JPMXP1222AT0299)
利用した主な設備(欄不足分)
TU-058
TU-205
TU-211
TU-216
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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Hirotaka Suzuki, Improved Vacuum Level of Silicon-Migration-Sealed Cavity by Hydrogen Diffusion Annealing For Wafer-Level Packaging For Mems, 2022 IEEE 35th International Conference on Micro Electro Mechanical Systems Conference (MEMS), , 565-568(2022).
DOI: 10.1109/MEMS51670.2022.9699602
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Muhammad Jehanzeb Khan, Mems Resonator Vacuum-Sealed by Silicon Migration and Hydrogen Outdiffusion, 2023 IEEE 36th International Conference on Micro Electro Mechanical Systems (MEMS), , 661-664(2023).
DOI: 10.1109/MEMS49605.2023.10052449
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Tianjiao Gong, Characterization of Vapor HF Sacrificial Etching Through Submicron Relase Holes for Wafer-Level Vacuum Packaging Based on Silicon Migration Seal, 2023 IEEE 36th International Conference on Micro Electro Mechanical Systems (MEMS), , 602-605(2023).
DOI: 10.1109/MEMS49605.2023.10052275
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- -Gong Tianjiao, 鈴木 裕輝夫, 田中 秀治,「SMS ウェハレベル真空封止技術のためのサブミクロンリリースホールを介したベーパーHF 犠牲層エッチングの研究」,第 39 回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウム14P5-P-4 (優秀ポスター発表賞)
- -Gong Tianjiao, Muhammad Khan, Yukio Suzuki, Shuji Tanaka,「接合条件と熱処理が直接接合品質に与える影響に関する研究」, 第13回マイクロ・ナノ工学シンポジウム14P5-PN-39
- -Muhammad Khan, Yukio Suzuki, Tianjiao Gong, Nobutoshi Nemoto, Shuji Tanaka,「高濃度にドープされたシリコン構造に対する水素および窒素アニーリングの影響」,第13回マイクロ・ナノ工学シンポジウム14P5-PN-9
- -山田駿介,田中秀治,「MEMS共振子の温度特性を予測するシミュレータの作成」第13回マイクロ・ナノ工学シンポジウム15P2-PN-27
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:2件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件