【公開日:2023.07.28】【最終更新日:2023.05.30】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22HK0006
利用課題名 / Title
リチウム合金を用いた活性窒素生成における反応メカニズムの解明
利用した実施機関 / Support Institute
北海道大学 / Hokkaido Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion
キーワード / Keywords
電子顕微鏡/Electron microscopy,集束イオンビーム/Focused ion beam,エネルギー貯蔵/ Energy storage,表面・界面・粒界制御/ Surface/interface/grain boundary control
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
宮岡 裕樹
所属名 / Affiliation
広島大学 先進機能物質研究センター
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
礒部繁人
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
鈴木啓太,吉田すずか,原田真吾,内田悠,澤厚貴,遠堂敬史,王永明
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
HK-202:オージェ電子分光装置
HK-301:環境セル対応透過電子顕微鏡
HK-302:電界放出形走査電子顕微鏡
HK-304:集束イオンビーム加工・観察装置
HK-403:集束イオンビーム加工装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
アンモニア(NH3)は農業関連分野の肥料の原料等として広く用いられている極めて重要かつ有用な化合物であり、最近では水素キャリアとしても注目を集めている。一般に、窒素分子は非常に安定な三重結合を有しており、この窒素分子を原子へ解離するためには高温、高圧条件が必要となる。近年、Liと14族元素の合金(M=Si, Ge, Sn, Pb)が窒素分子を容易に解離して窒化リチウムを生成することが示され、NH3 合成方法として下記①~③のが提案された[1,2]。窒化反応 ① Li17M4 + N2 → Li3N + Li-M水素化反応 ② Li3N + H2 → NH3 + LiH合金再生反応 ③ LiH + Li-M → Li17M4 + H2 上記反応では比較的温和な条件で NH3を合成可能であり、小規模分散型NH3合成方法の実現も期待できる。また、これらの反応は、Liに対する14族元素2種類の割合を17:4とした三元系合金でも同様に進行する。当研究室におけるこれまでの研究では、Li-Si-Sn系において良好なアンモニア合成反応を示し、かつ、それぞれの窒化反応特性には明確な差異が見られた。そこで、本研究ではSiとSnの比率を0.5ずつ変化させたLi17SixSn4-x合金を用いて、より温和な条件でNH3合成を可能とする組成を調査した。[1] S. Yamaguchi et al. ACS Omega 2017,2,1081-1088. [2] K. Goshome, et al. Materials Transaction 2015, 1, 410-414
実験 / Experimental
Li17SixSn4-xの組成となるようにLi, Si, Snを混合し、ボールミリング法により作製した。この際、SiとSnの比率を0.5ずつ変化させ、計9試料の組成比が異なるLi17SixSn4-x合金を作製した。その後、熱天秤-質量分析装置(TG-MS)を用いて、各試料に対して窒化処理、水素化処理、合金再生処理を施すことにより、NH3合成反応特性を調査した。また、X線回折法(XRD)を用いて窒化前後および合金再生後の試料の結晶相を精査した。試料の微細組織はオージェ電子分光装置(AES)を用いて観察した。
結果と考察 / Results and Discussion
窒化処理に伴うLi17SixSn4-xの窒化率を、Li17SixSn4-xに含まれるSiの割合をパラメーターとしてFig.1に示した。なお、図中の点線は、Li17Si4とLi17Sn4の混合物が濃度変化を生じずに窒化したと仮定した際の窒化率を示している。この実験結果より、Siの比率がx = 0.5~1.5の組成において、三元系合金にすることで窒化量が増加した。このように窒化量が増加した理由として、Si元素の生成が二元系合金よりも促進されたことが考えられる。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig.1 Nitriding rate of Li17SixSn4-x
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件