ARIMデータカタログ公開ポリシー
~データカタログ作成へのご協力のお願い~
2025年3月1日
1.目的
マテリアル先端リサーチインフラ事業(ARIM)では、機器利用ユーザーの皆様にご登録いただいた貴重なデータセットを、エンバーゴ解除後に皆様の研究成果普及を最大化するため、ARIMデータポータルサイト (https://nanonet.mext.go.jp/data_service/)にてデータカタログを公開しデータ共用を進めております。
データカタログはARIMの機関スタッフが作成いたしますが、登録いただいたデータセットからデータカタログを作成するにあたり必要な事項を入力、修正いただくことが必要な場合があります。この点について、データ登録者の皆様にご理解とご協力をお願い申し上げます。本ポリシーは、ご協力いただきたい事項をまとめたものです。
(ポータルサイトにおけるデータカタログの様式ならびに掲示例)
2. データカタログに必要な記載項目(必須)
データカタログには、以下の項目が記載されます。これらの項目は、機器利用に際して皆様のデータを保管・管理等でご利用いただいているデータ構造化システム(RDE)から抽出されますので、エンバーゴ解除までに登録者の皆様にRDEを通じて記入・追記・編集の作業を行っていただきます。
- データセット名:機器利用時に暫定表記で明記しているデータセット名を、内容を適切に表すタイトルに修正してください。日本語で50文字程度以内(英語の場合は100文字程度以内)で記述してください。課題名と同一でも構いませんが、同一課題で複数のデータセットが存在する場合は、明確に識別可能な名称としていただきますようお願いいたします。
- データセットの説明(要約):データセットの内容が第三者に明確に理解できる説明文を、日本語の場合は200文字程度以上、英語の場合は400文字程度以上で記述してください。既に提出されている機器利用の「利用報告書」の要約をそのままご活用いただいても差し支えございません。
- マテリアル情報に関する情報: データセットに関連するマテリアル情報(組成式、化学式、分子式、化合物名、CAS登録番号など)は、「データセットの説明(要約)」欄に可能な範囲で記載してください。表記のガイドは、末尾の「参考:マテリアル情報の考え方」をご参照ください。
- データセット管理者:DICEアカウントに登録されている氏名および組織名が反映されます。正しい名前の表記になっているかをご確認ください。記載の修正がある場合には3. 編集・修正方法を参照して行ってください。記載に不備がある場合は、各機関から当該利用者にご連絡し、修正を依頼させていただきますので、あらかじめご了承ください。
(データ構造化システム(RDE)における表示)
3. 編集・修正方法
- 「データセット名」、「データの説明(要約)」は、RDE(https://rde.nims.go.jp/)からアクセスし、「データセット基本情報」の「編集」ボタンから加筆・修正・追記が可能です。
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- RDE (https://rde.nims.go.jp/) にアクセスします。
- 所定のデータセットを選んだ後、「編集」ボタンでの修正が可能です。
- 「データセット管理者」の表示の修正は、DICEアカウント情報から修正する必要があります。
DICEアカウントの修正方法
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- DICEアカウント(https://diceidm.nims.go.jp/csp/csp-user-portal)に入ります。
- DICE利用者ポータル画面の「プロフィール」をクリックします。
- 以下の表記規則から外れている場合には、修正をお願いします。
4. DOI付与による成果の普及促進
- 上記2に記載の必須項目が全て揃っているデータカタログに対しては、皆様の成果普及を促進するため、Digital Object Identifier(DOI)をARIM事業側で付与いたします。DOIが付与されることにより、データセットの引用が容易になり、研究成果の可視化と成果普及に貢献します。
- データ登録時に匿名化をご希望されたデータカタログは、DOI付与の対象外となりますのでご了承ください。また、上記必須項目に不足事項がある場合も、DOI付与を見送らせていただくことがございます。
5. ご承知おきください
1. エンバーゴ解除のご案内
エンバーゴ解除の約1ヶ月前に、ARIMからデータセット管理者へエンバーゴ解除のご案内が送られます。その際、2. データカタログに必要な記載項目(必須)の項目に不足や修正点がないか確認いただき、必要があればエンバーゴ解除までに追記、修正ご協力をお願いいたします。
2. ARIMスタッフによる補記・修正
未記入項目や不明瞭な記述がある場合、ARIMスタッフが補記または修正を行う場合がございます。その際、登録者へご連絡を差し上げる場合がございます。
3. データカタログの作成
データカタログは、ARIMスタッフが2. データカタログに必要な記載項目(必須)に記載された情報を基に作成し、ARIMデータポータルサイトに登録します。
4. グラフィックアブストラクト
データカタログには、代表図(グラフィックアブストラクト)を添えられます。原則として、RDEに登録されたデータからARIMスタッフが適切な図を選定し登録します。特定の図(複数可)をご希望の場合は、事前にARIMスタッフまでご連絡ください。
5. データ共用の見送り
データカタログに必要な記載項目が満たされない場合、データカタログの掲載を見送るとともに、データセットのデータ共用を行わない場合がございます。
6. データにかかる権利
データセットやデータカタログにかかるデータの権利は、詳しくはARIMのデータ登録約款をご参照ください。
6. お問い合わせ先
本ポリシーに関するご質問や不明な点がございましたら、下記までお気軽にお問い合わせください。
国立研究開発法人物質・材料研究機構
マテリアル先端リサーチインフラセンターハブ データ共用事務局
連絡先: arim_data[]ml.nims.go.jp [データカタログ担当]
[]はアットマーク
本ポリシーに基づき、データカタログの作成と適切な管理を通じて、より質の高いデータ共用環境を構築し、学術研究の発展に貢献して参ります。ユーザーの皆様には、上記の項目についてご理解とご協力を賜り、質の高いデータカタログ作成にご協力をいただきますようお願い申し上げます。
以上
参考:マテリル情報の考え方
- マテリアル情報(RDEでは試料名や化学式・組成式・分子式など)は、機器利用時に持ち込まれる状態がさまざまであるため、機器利用時に把握できる範囲で記入・記録することを推奨しております。
- RDEへの登録に際しては、データ登録時の「試料情報」欄を記録として活用してください
RDEのデータ登録時におけるマテリアル情報の記入例
金属・無機化合物分野における考え方
- 命名規則
標準化学名の使用: IUPAC命名法やCAS登録名に準拠した名称がある場合には、それらを記載することを推奨します。例:二酸化チタン(Titanium dioxide, TiO₂)。
元素記号の使用: 単一元素や合金の場合、わかる範囲で組成の元素記号を使用してください(例:Fe、Cu、Al)。
汎用名の使用: 金属においてはSUS番号、JIS、ISO、AISI番号がついていれば、それを記載してください。
2 合金や複合材料の場合
成分比の明記: 合金の場合は主要元素の組成比を明記してください(例:Al 90%, Cu 10%)。
相図情報の補足: 特定の相(α相、β相など)を持つ場合はその情報をわかる範囲で記載してください。
- 試料の特性情報
純度の記載: 金属や化合物の純度(例:99.99%)やグレード(半導体グレード、試薬グレードなど)があれば明記してください。
粒径・形状: 粉末やナノ粒子の場合、粒径(例:<50 nm)や形状(球状、フレーク状など)も情報があれば記載してください。
結晶性の情報: 単結晶、多結晶、アモルファスなどの情報もわかれば記載してください。
有機分野・高分子における考え方
- 命名規則
IUPAC名の使用: 可能であれば国際純正・応用化学連合(IUPAC)の命名規則に従ってください。
一般名(寛容名)の使用: 実験室内で一般的に使用される名称(例:アセトン、ポリエチレン)とすることも推奨します。
- 化学式の記載
分子式の明記: グルコースの場合「C6H12O6」 など、簡潔な分子式を試料名と合わせて記載することが望ましいです。
構造式の補足: 高分子の場合、繰り返し単位(モノマー)の構造式や重合度があれば好ましいです。
- 試料の特性情報
純度の記載: 試料の純度(例:99.5%)やグレード(分析用、工業用など)を記載があれば好ましいです。
供給元情報: メーカー名、カタログ番号などを追加することで、試料情報の代用となります。(感光性レジスト材料であればSU-8など)
- 高分子化合物の特有情報
分子量情報: 重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)やポリ分散指数(PDI)を記載していただくことが好ましいです。