利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.22】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22NU0242

利用課題名 / Title

化学修飾ナノカーボンデバイスの研究

利用した実施機関 / Support Institute

名古屋大学 / Nagoya Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

ナノカーボン/ Nano carbon,ナノチューブ/ Nanotube


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

大町 遼 

所属名 / Affiliation

名古屋大学 学際統合物質科学研究機構

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NU-222:レーザー描画装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

化学修飾を施したカーボンナノチューブなどのナノカーボン材料を用いたデバイスに関する研究を遂行する。本年度は半導体カーボンナノチューブのトランジスタの化学ドーピングによる特性制御を実施した。電子不足性の多環芳香族炭化水素であるHATCNで修飾したカーボンナノチューブのトランジスタは200℃以上の熱に安定なp型特性を示した。

実験 / Experimental

APTES修飾したシリコン基板に対して、ATP分離によって半導体純度>99%以上に精製したカーボンナノチューブをドロップキャストし、半導体カーボンナノチューブの極薄膜を作製した。その後レーザー描画装置を用いながら、電極作製とチャネル形成に不要なカーボンナノチューブを除去することで、ボトムゲート型のトランジスタ構造を作製した(図1)。作製したトランジスタを不活性ガス下で加熱して吸着物を除去した後、F4-TCNQおよびHATCNの溶液をスピンキャスト、続いて加熱によって溶媒を除去した。その後、測定と加熱を繰り返しトランジスタ特性を評価した。

結果と考察 / Results and Discussion

未ドーピングのトランジスタの伝達特性、F4-TCNQおよびHATCNでドーピングしたトランジスタの加熱による伝達特性の変化について図2に示す。不活性ガス雰囲気下においてはカーボンナノチューブトランジスタは両極性を示す。p型ドーパントとして知られるF4-TCNQを用いた場合、50℃で加熱した場合には若干のp型特性が確認できたものの、加熱によってそれらが消失していく様子が確認できる。しかし、本研究で見出したHATCNドーピングでは200℃以上においても安定したp型特性を示した。また、200℃で72時間以上加熱した場合にも安定した特性を示すことを確認している。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1.作製したカーボンナノチューブトランジスタの光学顕微鏡像



図2.未ドーピングおよび化学ドーピングしたトランジスタにおける、加熱による伝達特性の影響


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究は、JSTのCREST (Grant No. 19203618)、さきがけ(Grant No. JPMJPR20B6)、JSPS科研費 (Grant Nos. JP19H02168 and 20KK0087)の支援を受けて実施した。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Yuki Matsunaga, Highly temperature-tolerant p-type carbon nanotube transistor doped with 1,4,5,8,9,11-hexaazatriphenylenehexacarbonitrile, AIP Advances, 12, (2022).
    DOI: 10.1063/5.0087868
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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