【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.21】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22NU0035
利用課題名 / Title
金属ナノ粒子の微細構造
利用した実施機関 / Support Institute
名古屋大学 / Nagoya Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
金属ナノ粒子、電子顕微鏡、微細構造解析,電子顕微鏡/Electron microscopy
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
米澤 徹
所属名 / Affiliation
北海道大学 工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
徳永智春
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NU-102:高分解能電子状態計測走査透過型電子顕微鏡システム
NU-106:試料作製装置群
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
この研究は、金属ナノ粒子の微細構造およびその表面構造、酸化状態を詳細に観察することを目的とする。そして合金の場合には、元素分析も含む。金属ナノ粒子の化学還元による合成手法を用い、ナノスケールでの金属粒子の微細構造を制御する。合金を用いた場合には、異なる元素間の相互作用や分布状態を評価するための元素分析も含んでいる。さらに、高分解能の顕微鏡を用いて、金属ナノ粒子の表面構造や酸化状態を詳細に観察し、微細な変化や相互作用を解析する。また、金属ナノ粒子の結晶構造をX線回折などの技術も用いて解析し、結晶格子パラメーターや昇温時における結晶成長の挙動を調べ、電子顕微鏡の結果と泡褪せて検証する。この研究により、新たなナノ粒子、合金粒子の設計や開発に役立つと期待される。
実験 / Experimental
この研究では、特殊構造を持つであろう金属ナノ粒子や、非平衡凝集法を用いた合成法によって多元素合金ナノ粒子を合成し、これら粒子を透過型電子顕微鏡 (ARM) を用いて原子分解で詳細に観察することで、金属ナノ粒子の微細構造およびその表面構造、酸化状態を詳細に解析する。また、合金についてはエネルギー分散X線分析 (EDS) を用いて元素分析を行い、合金組成や元素間の相互作用を明らかにする。この研究手法により、金属ナノ粒子の微細構造およびその表面構造、酸化状態に関する詳細な情報を得ることが期待される。また、合金の場合には、元素分析により合金組成や元素間の相互作用を明らかにすることで、合金材料の設計や開発に役立つと期待される。
結果と考察 / Results and Discussion
非平衡凝集法で合成した多元素合金ナノ粒子のARMによる解析結果により、合成された金属ナノ粒子の微細構造について詳細に観察された。ナノスケールの粒子内に5種類以上の異なる元素が均一に分布していることが明らかになった。これは高エントロピー合金の特徴である固溶体をナノ粒子が形成していることを示している。単金属の結晶格子が異なっても組み込まれている。このような異なる元素の組み合わせにより新たな物性が期待される。また、ARMによる原子分解により、金属ナノ粒子の表面構造も詳細に解析され、原子の配列は粒子内でほぼ均一であり、異種元素が均一性高く固溶されていることが示された。さらに、EDSによる元素分析および元素マッピングの結果から、合金の組成が高い精度で解明された。粒子全体はFCC構造で、各元素の含有量がほぼ均一に分布しており、高エントロピー合金の特性を示していることが確認された。また、元素間の相互作用も明らかになり、高エントロピー合金の不均質な組成による新たな物性を解明する可能性が示唆された。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
本研究で用いた高エントロピー合金ナノ粒子の明視野像。
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
本実験の遂行にあたり、徳永智春助教のご指導を得た。厚く感謝する。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件