利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.04.23】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22WS0079

利用課題名 / Title

CO2電解還元用新規ナノ複合電極創製に向けたCuおよびCu-Au薄膜の特性把握

利用した実施機関 / Support Institute

早稲田大学 / Waseda Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

リソグラフィ, 成膜, 膜加工・エッチング, 形状・形態観察,電子顕微鏡/Electron microscopy,集束イオンビーム/Focused ion beam,リソグラフィ/Lithography,スパッタリング/Sputtering


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

船岡 聖矢

所属名 / Affiliation

早稲田大学 先進理工学部 応用化学科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

野崎義人,加藤篤,坂口千佳

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術代行/Technology Substitution


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

WS-001:イオンビームスパッタ装置
WS-006:プラズマアッシャー
WS-010:集束イオン/電子ビーム加工観察装置
WS-012:電界放出型 走査電子顕微鏡
WS-016:レーザー直接描画装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

CO2電解還元反応とはCO2を再生可能エネルギー由来の電気を流すことで分解し,CO2フリーな燃料・化学品を作ることが出来る技術である.従来の方法ではCOをCO2電解還元により生成したのち,水を電気分解して得られた水素と高温・高圧環境下にて反応させることでCH4等を合成しており,エネルギーロスやプロセスが難解といった課題が存在する.そのため,CO2電解還元によりCO2から直接CH4を合成するプロセスを確立した場合,エネルギー効率が改善される.本検討では,電極表面にArエッチング処理による凸凹生成やO2プラズマによる親水化処理といった表面処理を施すことによりCO2電解還元の生成物選択性にどのような影響を与えるのか,そしてCO2からCO,COからCH4といった反応を電極表面にて連続的に引き起こし,多電子反応を行うナノ複合電極の試作を行った.

実験 / Experimental

本実験では,初めにダイシングソー(DAD321)にてシリコンウェハーを切断したのち,イオンビームスパッタ装置を用いてSi基板上にCuやAu薄膜を作製した.作製した薄膜にArエッチングによる凹凸生成やプラズマアッシャー(PR500)による親水化といった表面処理を行った.ナノ複合電極はフォトリソグラフィの手法を用いて作製された.作製した薄膜の上にPMGI SF5とTSMR-V90 10CPをスピンコートにより塗布し,レーザー直接描画装置(MLA150)を用いてレーザー光を照射,その後NMD-3溶液により現像を行った.電界放出型走査電子顕微鏡(SU8240)や集束イオン/電子ビーム加工観察装置(JIB-4700F)を用いて断面を観察し,スピンコートの条件を調整した.現像後に2層目の薄膜をイオンビームスパッタ装置により作製し,最後にレジストをRemover1165溶液により剥離し電極を作製した.

結果と考察 / Results and Discussion

図1,図2に集束イオン/電子ビーム加工観察装置による現像後における基板断面を示す.図1ではスピンコートやレジストの種類の選択が悪く,現像後もレジストが全面的に残っていた.スピンコートの改善を行うことで,図2のように現像後にて1層目の薄膜が露出し,また横方向が削れている形状を得ることが出来た.  
図3に電界放出型走査電子顕微鏡による1µm間隔で2層目が配置されたナノ複合電極,図4に電界放出型走査電子顕微鏡による2µm間隔で2層目が配置されたナノ複合電極を示す.図3,図4より作製したいナノ複合電極の形状を得たことを確認できた.

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 集束イオン/電子ビーム加工観察装置による現像後における基板断面(スピンコート改善前)



図2 集束イオン/電子ビーム加工観察装置による現像後における基板断面(スピンコート改善後)



図3 電界放出型走査電子顕微鏡による1µm間隔で2層目が配置されたナノ複合電極



図4 電界放出型走査電子顕微鏡による2µm間隔で2層目が配置されたナノ複合電極


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

本研究は科研費基盤(C)一般21K05262の助成を受けたものである.
実験装置の利用にあたりご指導をしていただいた加藤様,齊藤様,坂口様,野崎様,星野様,そして関わって下さった職員様に感謝申し上げます.特に加藤様と野崎様にはフォトレジストでの電極作製にあたり何度もご相談させて頂きました.


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 船岡聖矢,李艾珊,越智洋次郎,福永明彦,“CO2電解還元用新規複合電極の試作および特性評価” 電気化学会第90回大会,令和5年3月29日.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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