利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.07.31】【最終更新日:2023.10.23】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22WS0035

利用課題名 / Title

ダイヤモンド表面へのナノピラー配列の作製

利用した実施機関 / Support Institute

早稲田大学 / Waseda Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)その他/Others(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

ダイヤモンド,NVセンター,量子計測,パルスODMR,量子ヘテロダイン計測,電子顕微鏡/Electron microscopy,リソグラフィ/Lithography,膜加工・エッチング/Film processing and Etching,EB


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

齋藤 大樹

所属名 / Affiliation

早稲田大学理工学術院

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

大谷 和毅,Akirabha Chanuntranont

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

谷井 孝至,加藤 篤

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

WS-015:電子ビーム描画装置
WS-007:ICP-RIE装置
WS-012:電界放出型 走査電子顕微鏡
WS-011:電界放出型 走査電子顕微鏡


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

高屈折率材料としての単結晶ダイヤモンドは,内包するNVセンターの蛍光が結晶表面で内部に全反射する点において,必ずしも光磁気共鳴計測(ODMR)に好適な母材でない。他方,リソグラフィーやエッチングといった微細加工を施すと,NVセンターの充分なコヒーレンス時間および電荷安定性を維持するのに課題があった。ここでは,ナノピラー表面に浅い単一NVセンターを形成するプロセスを検討し,単一NVセンターからの蛍光の収集効率を増大させ,その単一NVセンターを用いた量子ヘテロダイン計測の実行可能性を評価する。

実験 / Experimental

12C濃縮薄膜(純度99.95%)をCVD成長させ,15Nイオン注入(2.5 keV, 1.5 x 1011 cm-2)と熱処理(水素アニール: 1000 ℃, 2 h)を施し,表面全体に浅いNVセンターを形成した12C濃縮CVD薄膜(純度99.95%)を有するダイヤモンドIb (100)結晶基板を用いた。電子線リソグラフィー(50 keV)により2層レジスト(230 nm厚PMGI 上の220 nm厚ZEP-520A)に異なる直径の円形パターン(ナノピラー中のNVセンターは平均3個)を配列形成し,リフトオフによる円形蒸着Ti薄膜(70 nm厚)をマスクとして,O2プラズマを用いたICP-RIEによりナノピラーを形成した。

結果と考察 / Results and Discussion

円形にパターニングされた蒸着Ti薄膜(70 nm厚)をマスクとして,O2プラズマを用いたICP-RIEにより,直径と高さの異なるナノピラーを配列形成した。直径96 nm,高さ260 nmのナノピラーにおいて,制御ソフトウェアQudi [8]を搭載したLab-madeの共焦点顕微鏡(LPF 647 nm, 単一光子検出器) を用いて,ナノピラー中に形成したNVセンターのパルスODMR計測を行った。励起光(波長532 nm)照射時のピラー中の浅い単一NVセンターの発光強度は,平坦な表面に形成した浅い単一NVセンターに比して約3.5倍に増加した。Fig. 1は静磁場強度30 mT (Nd磁石)のもと,自作コイルにアンプ(33 W)を介して2 MHzの交流を通じて得られたQdyne(XY8-8により位相を蓄積)による交流磁場計測結果である。計測時間は1000 s,光収集率の低いエアーレンズ(50×, N.A. 0.95)を用いた結果である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig.1 FFT spectrum of radio wave obtained by Qdyne measurements. A bird’s-eye view of the nanopillar is shown in the inset.


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Akirabha Chanuntranont, Enhancing photon collection from single shallow nitrogen-vacancy centers in diamond nanopillars for quantum heterodyne measurements, Applied Physics Express, 16, 082006(2023).
    DOI: doi.org/10.35848/1882-0786/acede9
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 齋藤 大樹, 大谷 和毅, Akirabha Chanuntranont, 上田 優樹, 津川 雅人, 三宅 悠斗, 臼井 俊太郎, 寺地 徳之, 小野田 忍, 品田 高宏, 川原田 洋, 谷井 孝至:第70回応用物理学会 春季学術講演会
  2. Akirabha Chanuntranont, Daiki Saito, Kazuki Otani, Tomoki Ota, Masato Tsugawa, Yuto Miyake, Shuntaro Usui, Tokuyuki Teraji, Shinobu Onoda, Takahiro Shinada, Hiroshi Kawarada, Takashi Tanii "Alternating magnetic field detection using a single shallow NV center in a nanopillar fabricated in the diamond surface" 量子生命科学会第5回大会,2023年5月18日,大阪大学豊中キャンパス
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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