利用報告書 / User's Reports


【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.16】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

22AE0019

利用課題名 / Title

パルス加熱炉を用いる超高温溶融燃料のXAFS構造解析

利用した実施機関 / Support Institute

日本原子力研究開発機構 / JAEA

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

酸化物,溶融,高温,XAFS,二体間距離


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

小無 健司

所属名 / Affiliation

東北大学 金属材料研究所 附属量子エネルギー材料科学国際研究センター

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

有田 裕二,新納 圭亮,渡辺 博道,森本 恭一,渡部 雅

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

小林 徹,矢板 毅,谷田 肇

利用形態 / Support Type

(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

AE-003:高輝度放射光XAFSシステム


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

東京電力福島第一原子力発電所事故(1F)では、炉心燃料が融点を越えて加熱され燃料被覆管や炉心容器と反応した。このシビアアクシデントでの事故進展を解析するためには、融点付近の高温での燃料の物性測定が不可欠である。しかし、燃料酸化物の融点は高く(UO2:(3140K)、融点まで加熱するのが難しい。本研究では、模擬物質としてZrO2を用いて高温XAFS実験手法の開発を行う。

実験 / Experimental

これまで3000Kまでの超高温物性測定には、試料をガス浮遊させてレーザーで加熱する方法が用いられてきた。しかし試料の大きさや形状に制限があるために透過XAFS試験は成功していない。本実験では、新たに高温用スリット付きタングステン板試料ホルダーを考案した(特許出願)。W板にワイヤ放電加工で60μm程度のスリットを開けてそこに粉末状のZrO2(融点:2988K)試料を酸化物試料を装填して透過XAFS用の試料を作製し透過XAFS試験を実施した。

結果と考察 / Results and Discussion

SPring-8の放射光を調整したマイクロビームを用いて、上述した溶融炉XAFS測定システムにより透過XAFSスペクトルを測定した。ZrO2の融点付近の構造変化を透過XAFS試験により観察することに成功した。温度が上昇するに伴い体積膨張が起こるためZr-Zr間距離(第2近接距離)は増加する。しかし、Zr-O間距離(第2近接距離)は逆に減少する。このZr-O間距離減少は、蛍石型酸化物の酸素の移動が融点以下で活発になる現象と対応しているものと考えられる。  今回のZrO2の実験成果を基に、UO2の実験を実施する予定である。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

この研究は、令和3年度及び4年度文部科学省、原子力システム開発事業の課題「⼈⼯知能(AI)技術を取り⼊れた核燃料開発研究の加速」の一環として実施された。


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 小無健司, 有田裕二,矢板毅, 渡辺博道, 森本恭一,森一樹, 加藤信彦, “人工知能(AI)技術を取り入れた核燃料開発研究の加速(5)全体概要” 日本原子力学会1E07 令和4年9月7日
  2. 新納圭亮, 有田裕二, 小無健司, 渡辺博道, 矢板毅谷田肇, 小林徹, 森本恭一, 渡部雅, “同上(6)ZrO2の高温XAFS試験方法” 日本原子力学会1E08 令和4年9月7日
  3. 矢板毅, 小林徹, 谷田肇, 小無健司, 有田裕二, 新納圭亮, 渡辺博道, 森本恭一, 森一樹, 加藤信彦 “同上(7)放射光XAFSによるZrO2高温融体の構造及び電子状態解明” 日本原子力学会1E09 令和4年9月7日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:1件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

印刷する
PAGE TOP
スマートフォン用ページで見る