【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.17】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23NU0077
利用課題名 / Title
細孔構造を制御したナノ多孔質酸化インジウムスズの作製
利用した実施機関 / Support Institute
名古屋大学 / Nagoya Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
熱電材料,酸化インジウムスズ,熱電材料/ Thermoelectric material,走査プローブ顕微鏡/ Scanning probe microscope,集束イオンビーム/ Focused ion beam
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
松野 敬成
所属名 / Affiliation
早稲田大学各務記念材料技術研究所
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
樋口 公孝
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
熱電変換材料は熱を利用して電気を作り出せるため、廃熱の有効な利用方法として注目されている。大気中で安定かつ低毒性の金属酸化物の活用が望ましいが、熱電変換性能が低いことが課題である。性能向上には、ナノ細孔の導入による熱伝導率の低減が有効な方法の一つである。設計指針を確立するためには細孔径と熱・電気伝導率の相関を明らかにすることが重要である。本研究では導電性の金属酸化物として酸化インジウムスズ(ITO)をモデルとし、細孔径を制御したITOナノ多孔体を合成して熱・電気伝導率について調査する。
実験 / Experimental
本研究ではナノ多孔質ITOの細孔構造を精密制御し、その構造を分析した。具体的には、規則細孔を有するシリカナノ多孔体を鋳型に用いてナノ細孔中にITOを析出させ、シリカを除去することでナノ多孔質ITOを作製した。また、得られたナノ多孔質ITOにITO前駆体を添加し、加熱することで結晶成長による細孔壁厚さの制御を試みた。後処理によるITOの形成挙動の理解には、多孔体の粒子内部まで可視化できる分析が必要となる。そこで、FIB-SEMにより多孔体粒子を数nm単位でエッチングしながらSEM像を取得することで、三次元画像を構築し細孔構造の解析を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
得られたITOナノ多孔体は鋳型の構造を反映した約80 nmの球状細孔を有しており、XRD測定やXPS測定からITOの形成を確認した。FIB-SEMを用いて収束イオンビームを1 mm四方の範囲に照射することでエッチングしながらSEM像を取得して試料内部のナノ構造を観察し、3Dモデルの作製を行った。その結果、多孔体粒子は内部まで鋳型の構造を反映していることが確認できたが、一部の多孔体粒子では中心付近のシリカが除去されずに残存していることが確認された。また、細孔壁の表面から内部にかけてナノ粒子が析出している様子が観察された。これらの結果から、不均一ではあるがITOナノ多孔体の内部でITOナノ粒子が形成したことが示唆された。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件