利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.17】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23NU0072

利用課題名 / Title

超音波とウルトラファインバブルを用いた白金/金の複合ナノ粒子の観察

利用した実施機関 / Support Institute

名古屋大学 / Nagoya Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

白金、金、ナノ粒子、超音波、ウルトラファインバブル,電子顕微鏡/ Electronic microscope


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

安田 啓司

所属名 / Affiliation

名古屋大学大学院工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

水野裕貴,安田啓司

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

山本悠太

利用形態 / Support Type

(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

NU-102:高分解能電子状態計測走査透過型電子顕微鏡システム


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

貴金属ナノ粒子は,高い触媒活性を有し,その性能は金属成分やサイズ,形状に依存する. 中でも, 異なる金属から構成される複合ナノ粒子では,成分の組合せや構造によって各成分に由来する性能が強化されるため,その探索に注目が集まっている.特に,Ptナノ粒子はメタノールの酸化など様々な反応の触媒として機能するが,Ptの使用量削減や触媒性能の向上のためにAuなどをコアとしてPtをシェルとした複合ナノ粒子の合成が盛んに研究されている.Au-Ptナノ粒子(Au-PtNPs)の触媒性能を高めるためには,シェル部分のPtのナノ構造を制御して表面積を高くすることが望まれる. 本研究では,超音波還元法によりAuコアを作製したのちに,界面活性剤と直径1 μm以下の超微細気泡であるウルトラファインバブル(UFB)を共存させながら還元剤によってPtシェルを作製し,Au-PtNPsの形状に及ぼすUFBの影響を調査した.

実験 / Experimental

 四塩化金(Ⅲ)酸水溶液とヘキサクロロ白金(IV)酸水溶液を混合し,非イオン性の界面活性剤であるPluronic F127を加えた上で,周波数488 kHz, 振動子印加電力50 Wの超音波を照射した.照射後,試料に還元剤であるアスコルビン酸水溶液を添加し,さらに,空気UFB水もしくは超純水(UPW)を添加し,所定時間静置し,Au-PtNPsを合成した.得られたナノ粒子の形状観察及び元素分析を行うために,透過型電子顕微鏡(TEM)及びエネルギー分散型X線分光法(EDS)を用いた.観察には名古屋大学超高圧顕微鏡施設のTEM(JEM-ARM 200F Cold、JEM-2100 plus)を用いた。

結果と考察 / Results and Discussion

Fig.1に示すように, 中心の黒い部分がAu,周辺がPtのAu-PtNPsの合成に成功した.UPWの場合は,Ptの厚さが小さく,Ptのみの凝集体が見られた.UFB濃度を高くすると,Ptの厚さを厚くすることができ,Ptのみの凝集体がほとんど見られなくなった.この結果から,UFBはAuのまわりにPtナノ粒子を存在させることに有効であり,Ptの使用量を削減できることが明らかとなった.

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig.1 各空気ウルトラファインバブル濃度で合成されたAu-PtNPsのHAADF-STEM像


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 水野裕貴, 山本悠太, 山口毅,安田啓司, 第31回ソノケミストリー討論会, 2023年12月7日
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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