【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.06.17】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23NU0071
利用課題名 / Title
高分解能電子顕微鏡を用いたアンモニア分解用材料の構造観察
利用した実施機関 / Support Institute
名古屋大学 / Nagoya Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
アンモニア、水素、酸化物、触媒,電子顕微鏡/ Electronic microscope,水素貯蔵/ Hydrogen storage
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
永岡 勝俊
所属名 / Affiliation
名古屋大学大学院工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
佐藤勝俊,永岡勝俊
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
山本悠太
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
NU-102:高分解能電子状態計測走査透過型電子顕微鏡システム
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
次世代のカーボンフリーな燃料として、アンモニアに対する期待が高まっている。アンモニアは直接燃焼させることも可能であるが、分解して水素を取り出すことによって水素利用機器でも使用できる様になり、普及の拡大が期待できる。本課題では市販の耐熱性セラミックス材料を触媒として利用することを目的に、それぞれのアンモニア分解活性を評価した。さらに、より高活性な触媒開発につなげることを意図して、高分解能電子顕微鏡による表面構造を観察することで、触媒性能に与える因子を検討した。
実験 / Experimental
市販の耐熱性セラミックス材料を粉砕し、固定床流通式でアンモニア分解活性を評価した。実験の前後で触媒のX線回折(XRD)パターン測定を実施した。評価前後の触媒を乳鉢で粉砕してエタノールに分散させたのち、グリッドに滴下、乾燥させて観察用試料を作成した。試料の観察には名古屋大学超高圧電子顕微鏡施設の収差補正電子顕微鏡 JEM-ARM 200F Coldにて観察、分析を実施した。
結果と考察 / Results and Discussion
入手した耐熱性セラミックスの触媒性能を比較した結果、特定のセラミックスのみが700℃以上の温度域で高いアンモニア分解活性を示すことを見出した。反応前後でXRDパターンを測定した結果、入手した耐熱性セラミックスはいずれもSiとAlを主成分とした複合酸化物であることが分かったが、高活性の原因と思われる特異的な結晶状態は認められなかった。そこで、高分解能STEMによって当該試料の表面観察および、EDSによる元素マッピングを実施した。Fig. 1にHAADF像と元素マップを示す。当該セラミックスの薄片を観察したところ、滑らかな表面構造を持つことが分かった。元素分析を行った結果。Al、Siの他にある種の遷移金属とアルカリ性元素を他の試料と比較して有意に多い量含むことが分かった。また、それらの元素の分布には偏りがあり、試料全体に分布しているわけではないことが明らかになった。今後、これらの元素の含有量および分散状態と触媒性能との関連性を検討する予定である。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1. HAADF image and elemental map for the ceramics showing ammonia decomposition activity.
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
本課題の実施にあたり、名大超高圧電子顕微鏡施設の山本悠太技師に多大なご協力をいただいた。記して感謝申し上げる。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件