【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.02】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23AT0160
利用課題名 / Title
反応性スパッタリングによるTa-N薄膜成膜条件の検討
利用した実施機関 / Support Institute
産業技術総合研究所 / AIST
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
エレクトロデバイス/ Electronic device,スパッタリング/ Sputtering,先端半導体(超高集積回路)/ Advanced Semiconductor (Very Large Scale Integration)
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
島 久
所属名 / Affiliation
産業技術総合研究所
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
川又 彰夫
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
酸化物薄膜の抵抗変化を利用した不揮発性メモリReRAM(Resistive Random Access Memory)は、近年ではその抵抗値をアナログ的に制御することにより、ニューラルネットワークをデバイスで実装する際の重みとしての研究開発も精力的に行われている。アナログ抵抗変化の制御性に対する電極材料の影響を調べるため、電極材料の候補の1つであるTa-N薄膜の成膜条件の検討を行った。薄膜の抵抗率や薄膜中のTa/N比率を制御するプロセスを構築するため、Taメタルターゲットを用いた反応性スパッタリングで成膜を行った。本報告では、成膜時間を変化させた複数のサンプルを作製し、成膜レートの評価を行った結果について述べる。
実験 / Experimental
マグネトロンスパッタリング装置(研究グループで所有の装置)のDCカソードにTaメタルターゲットを取り付け、1x10-5Pa以下まで真空排気を行った。プロセスガスとしてArおよび窒素ガスを導入し、メタルマスクを添付した熱酸化膜付きシリコン基板上にTa-N薄膜を堆積した。Arと窒素ガスの流量の比率はAr/N=5.7/0.3 SCCMとした。このとき、成膜時のプロセス圧力は約0.07 Paであった。また、DCパワーは200Wとした。基板加熱は行っていない。成膜時間を300secおよび400secとした2種類のサンプルを作製した。メタルマスクを取り外し、基板上に形成されたパターンを用いて触針式段差計で段差測定を行って膜厚を評価した。膜厚と時間の関係から、成膜レートを決定した。
結果と考察 / Results and Discussion
触針式段差計で計測したパターン断面のプロファイルは良好な矩形形状であり、基板上の測定位置を変えながら複数回測定を繰り返したが、膜厚のばらつきは非常に小さかった。測定した膜厚の平均値を求め、成膜時間に対してプロットした結果が図1である。成膜時間が400secのサンプルでは、300secのサンプルと比較してより厚い膜が得られている。線形フィットで評価した成膜レートは約0.1nm/secであった。Ta-N薄膜の組成をラザフォード後方散乱分光測定により調べたところ、安定相の1つであるTa2Nと比較してTaの比率が多い結果であった。よって、薄膜中にさらに窒素を導入できる可能性があるため、プロセスガス中のNの比率を増大させたサンプルで同様の評価を行う予定である。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
FIg. 1 TaN薄膜の成膜時間と膜厚の関係。Taメタルターゲットのリアクティブスパッタリングで成膜しており、成膜条件はAr/N=5.7/0.3 SCCM、DC200W、~0.07Paである。基板加熱は行っていない。
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件