【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.07】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23GA0058
利用課題名 / Title
樹脂フィルム上の表面処理(2)
利用した実施機関 / Support Institute
香川大学 / Kagawa Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
センサ/ Sensor,リソグラフィ/ Lithography,膜加工・エッチング/ Film processing/etching
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
水野 綾介
所属名 / Affiliation
株式会社小松精機工作所
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
太田 悠介,難波 優大
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
下川 房男,中田 智恵美,竹歳 麻耶
利用形態 / Support Type
(主 / Main)共同研究/Joint Research(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
GA-002:マスクレス露光装置
GA-004:デュアルイオンビ-ムスパッタ装置
GA-005:触針式表面形状測定器
GA-013:ショットキー電界放出形走査電子顕微鏡群
GA-009:デジタルマイクロスコープ
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
これまでに、フィルムデバイスを形成する基材であるベースフィルム表面への酸素プラズマ処理による、親水性官能基の付与((-C=O,-COOH)や表面の微小粗化(平均粗さRa:約10nm→約20nm)によって、濡れ性が大幅に改善(接触角: 約73deg→約13deg)できることを確認した(F-22-GA-0058)。本年度は、これらの知見をもとに、表面処理に関して、より詳細な検討を行った。
実験 / Experimental
【利用した主な装置】・マスクレス露光装置(大日本科研製、MX1204)・デュアルイオンビームスパッタ装置(ハシノテック社製、 10W-IBS)・触針式表面形状測定器(ULVAC社製、Dektak8 )・ショットキー電界放出形走査電子顕微鏡(EDS付き)、(JEOL社製、 JSM-IT800SHL)・ディジタルマイクロスコ-プ(ハイロックス社製、KH-7700)
【実験方法】
本研究では、まず、デュアルイオンビームスパッタ装置を用いて、電極材料となる金属薄膜(Au/Cr)を樹脂フィルム基板上に堆積した。更に、マスクレス露光装置を用いて、電極/配線構造の基となるレジスト膜のパターン形成を行った。続いて、ウェットエッチングにより、不要な金属膜の部分を除去し、電極構造・配線構造を一括して作製した。尚、本研究では、特に樹脂表面上への電極/配線形成プロセスの前処理として、酸素プラズマとArプラズマによる違いについて、比較実験を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
図1は、酸素プラズマ処理後の樹脂フィルム基板上の様子を観察した結果である。ポリイミドシートの表面上に、部分的に白い変質層が見られる場合があった。これは、ポリイミドが化学反応を起こして変質したものと推定される。その後の電極材料(At/Cr)の形成過程で、Cr酸化物が生成されることで、結果的にCr薄膜とポリイミド薄膜との密着性の低下が生じていると考えられる(1)。尚、Arプラズマ処理では、上記のような変質層は全く見られなかった。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig. 1 Observation of resin surface after oxygen plasma treatment
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
(1)Bo-In Noh, Jeong-Won Yoon, Jung-Hyun Choi, Seung-Boo Jung, Effect of Cr Thickness on Adhesion Strength of Cu/Cr/Polyimide Flexible Copper Clad Laminate Fabricated by Roll-to-Roll Process, Materials Transactions, Vol. 51, No. 1 (2010) pp.85-89. https://doi.org/10.2320/matertrans.M2009276.共同研究者:下川房男 香川大学創造工学部 教授
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件