【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.07.04】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23TT0004
利用課題名 / Title
弾性波デバイス用支持基板のための金属成膜
利用した実施機関 / Support Institute
豊田工業大学 / Toyota Tech.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
センサ/ Sensor,高品質プロセス材料/技術/ High quality process materials/technique,蒸着・成膜/ Vapor deposition/film formation
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
安部 隆
所属名 / Affiliation
新潟大学大学院 自然科学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
佐々木実
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
研究室では、バルク弾性波デバイスに使用する高品質の電極膜の成膜が必要である。基板はセイコー・イージーアンドジー 製水晶Angle 2°58’±2’ Pure Z AT Cut, 直径φ12mm, X flat 11.5mm, Polished, t=0.1mmである。良質な、金電極膜(Au 100nm, Cr 10nm程度)成膜には、蒸着中の基板加熱が必要となる。昨年度JPMXP1222TT0035, 36では基板をヒータステージに固定する際に、両面と片面のカプトンテープを利用した。両面テープでは、割れ易い基板をテープから剥がし易いように軽く固定したが、加熱不足を招き、金膜が剥がれ易くなった。より高温に加熱できる片面カプトンテープ固定で得た膜質が優れた。但し、テープの影になる部分に金が付かないため、今回は170℃以上で熱剥離する両面テープ、リバアルファを試した。
実験 / Experimental
水晶基板を洗浄し、接着層のクロムと金を2源の抵抗加熱式蒸着装置を用いて、各々10と100 nm狙いで成膜した。基板固定方法は次の2種を試した。(Exp. 1) 熱剥離温度170℃両面タイプのリバアルファNo.3195V(紫色)を4"Si基板にしっかり貼り、熱剥離面に水晶基板を固定し、4"基板をヒータステージが接する台に固定した。(Exp. 2) 昨年度と同じで、基板を4"Si基板に直に接触させ、ヒータステージで加熱した。基板固定には、寺岡製作所カプトン片面テープ650S-25-10x20を上から貼った。片面テープで基板を覆ってしまう部分は、金蒸着されない。ヒータに通電する際には、トランスを間に入れたが、その設定は同じ(120℃程度のヒータ面温度)である。
結果と考察 / Results and Discussion
図1は、実験(Exp. 1)で蒸着した金膜付き基板である。基板が蒸着中に剥がれることは無かった。また、熱剥離200℃加熱の際に、基板を割ることなく取り出せた。基板全面に金が成膜する点は理想である。しかし、アセトン付き綿棒で擦ると、金が剥がれ、下地の紫色が見えている(図1の下段に該当基板あり)。このため、基板としっかり貼り付けても、プラスチック製テープを利用すると、ヒータから基板まで温度が十分伝わらず、加熱不足になると判断した。最終的な金の成膜は、昨年度JPMXP1222TT0036と同様、実験(Exp. 2)で行い、擦っても金が剥がれ無いことを確認した。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1:170℃熱剥離リバアルファを介して固定した水晶基板と金蒸着膜
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
当初は超音波照射などりフォトリソグラフィのプロセス途中で金膜が剥離するなど、密着性に課題があった。しかし、豊田工大の担当者の努力により、蒸着プロセスの改良およびノウハウ獲得により、薄膜の密着性を含めた品質が大幅に改善された。今後も、研究を推進できることを確認できた。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件