【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.27】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23TU0169
利用課題名 / Title
酸化皮膜を被覆した金属微粒子の構造解析
利用した実施機関 / Support Institute
東北大学 / Tohoku Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials
キーワード / Keywords
酸化皮膜, 金属粒子,電子顕微鏡/ Electronic microscope,高品質プロセス材料/技術/ High quality process materials/technique,集束イオンビーム/ Focused ion beam,イオンミリング/ Ion milling
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
市川 裕士
所属名 / Affiliation
東北大学 大学院工学研究科附属先端材料強度科学研究センター
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
伊藤俊,兒玉裕美子
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
TU-516:分析電子顕微鏡
TU-518:薄膜断面試料作製装置
TU-508:集束イオンビーム加工装置
TU-507:集束イオンビーム加工装置
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
新しい積層造形プロセスとして期待されているコールドスプレー法では、金属粒子を溶かすことなく高速衝突させ、大変形させることで粒子を基材に付着・堆積させ厚い積層体を形成することができる。本手法における付着・堆積挙動を理解するためには粒子の変形挙動を知ることが大変重要であるが、これまでの研究により変形そのものだけではなく、金属粒子表面を覆う薄い自然酸化皮膜の変形・破壊挙動こそがその付着・堆積挙動を支配することが明らかになってきた。そこで、本研究ではバレルスパッタ法と呼ばれる表面改質技術を用いて、10 µm程度の金属粒子の表面に人工酸化皮膜を被覆した粒子を作製した。この人工酸化物被覆粒子自体の変形挙動と、表面の人工酸化物層の変形・破壊挙動をナノインデンテーション技術で評価する。そのためには、表面の人工酸化皮膜の状態を正確に把握する必要があり、本事業を活用し透過電子顕微鏡(TEM)による微視組織構造評価を行った。
実験 / Experimental
集束イオンビーム加工観察装置(FIB)ならびにイオンスライサーを用いて、10 µm程度の金属粒子の表面に人工酸化皮膜を被覆した粒子からTEM試験片を作製し、それらについてTEMを用いて微視組織構造評価を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
詳細なTEM観察の結果、球形粒子の表面に酸化物が被覆されていることが確認され(Fig. 1)、当初の狙い通りの厚さの人工酸化皮膜が緻密で均一の厚さであることが分かり(Fig. 2)、ナノインデンテーションによる力学試験の妥当性を担保する重要な結果が得られた。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
FIg. 1 試作粒子のTEM観察結果(球形粒子の表面に酸化物が被覆されていることがわかる)
Fig. 2 対象粒子表面の高倍率TEM観察結果(表面の酸化物が緻密で均一の厚さであることがわかる)
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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Qi Tang, Surface oxide layer strengthening and fracture during flattening of powder particles, Scripta Materialia, 244, 116008(2024).
DOI: https://doi.org/10.1016/j.scriptamat.2024.116008
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件