【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.04.04】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23TU0114
利用課題名 / Title
ウエハ接合の実用化技術 / Technology for Practical Application of Wafer Bonding
利用した実施機関 / Support Institute
東北大学 / Tohoku Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
異種材料接着・接合技術, 石英・ガラス系材料, 熱処理, 形状・形態観察, 封止,アクチュエーター/ Actuator,MEMS/NEMSデバイス/ MEMS/NEMS device,ボンディング/ Bonding
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
瀧澤 照夫
所属名 / Affiliation
セイコーエプソン株式会社
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
小林知永
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
邉見政浩
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
TU-056:両面アライナ
TU-251:SUSS ウェハ接合装置
TU-309:赤外線顕微鏡
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
MEMSデバイスを気密封止する実用的手法として、ガラスフリット材による接合[1]がある。ガラスフリット接合の特長としては、1)十分な接合強度、2)良好な気密性、3)様々な表面トポグラフィに適用可能、など[2]が挙げられる。
本報告では、東北大学・試作コインランドリ設備を利用して、MEMS素子を搭載したSOI(Silicon on Insulator)基板とキャップ基板のガラスフリット接合を実施し、赤外線顕微鏡を用いて接合基板内部を観察した。特に、接合された基板間の合わせ精度に着目して評価した。
実験 / Experimental
(1) 基板準備ベース基板として厚さ610 µmの6インチSOI基板を2枚準備した。SOI層に形成されたMEMS素子はBoschプロセスと呼ばれるDRIE(Deep Reactive Ion Etching)を用いて可動構造体をリリースした。一方、接合するキャップ基板は厚さ280 µmの6インチSi基板2枚を用意し、やはりBoschプロセスによるパターニングを施した後に、ガラスフリット材をスクリーン印刷方式により塗布した。ガラスフリット材は接合温度440 ℃の材料を選択し、塗布後は430~440 ℃の仮焼成を実施した。
(2)ウエハ接合 ベース基板とキャップ基板を位置精度良く接合するために、専用のウエハ治具に搭載し両面アライナ装置(MA6/BA6)にてアライメントした。その際にアライメントギャップを設定する必要があるが、1組目ではアライメントギャップを50 µmと設定し、2組目では200μmと設定した。尚、ウエハ治具には基板間のギャップを設けるためのスペーサーが設けられているが、本実験では使用しなかった。続いて、アライメント済みウエハ治具をそのままSUSSウエハ接合装置(SB6e)へ移し、ウエハ接合を行った。接合温度は430~440℃、印加圧力1000mbar、とした。この時の荷重Fは2.2223 kN≒226.8 kgf/cm2程度であった。十分にウエハの温度が下がってから、ウエハを取出し観察したところ、接合されたウエハが簡単には引き剥がせないことを確認した。
(3)赤外線顕微鏡観察 得られた接合基板の内部状態を確認するために、赤外線顕微鏡を用いて観察した。特に、異なるアライメントギャップにて接合した2組の接合基板について、アライメントずれの発生状況について調べた。
結果と考察 / Results and Discussion
両面アライナ装置でのアライメント画像をFig. 1に示す。アライメントギャップを50 µmとして接合した1組目の赤外線画像をFig. 2、アライメントギャップを200 µmとして接合した2組目の赤外線画像をFig. 3に示す。Fig. 2ではアライメントずれが大きく発生しているのに対し、Fig. 3ではアライメントずれが軽減されている。両者共にアライメント時のモニタ画像ではFig.1に示されたように良好に位置合わせされていたが、得られた結果は異なるものであった。
前述した通り、ウエハ治具設けられたスペーサーは本実験では適用していない。従って、今回のアライメントずれはスペーサー起因のものではない。他に考えられる要因としてはウエハの凹凸や反りが挙げられる。位置精度の良いウエハ接合をするためには出来る限りアライメントギャップを狭く設定したいところだが、狭くし過ぎると基板同士が接触してずれを増大させる虞がある。今後はウエハの凹凸や反り量を把握し、アライメントギャップの最適化を行っていく予定である。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
Fig.1 A photo image of alignment process.
Fig.2 An IR plain view of the alignment marks(not well-aligned).
Fig.3 An IR plain view of the alignment marks(aligned better).
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
参考文献;
[1] A. L. Hartzell, et al., “MEMS Reliability”, pp.76-78, Springer US (2010)
[2] W-T Hsu, “Wafer Level Vacuum Packaging for Sensors”, IEEE Sensors 2012 Tutorials, Oct. 28, 2012.
実験に際し、多大なご協力と適切なアドバイアスを頂いた東北大学・邉見政浩 学術研究員様に感謝致します。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件