利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.17】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23TU0073

利用課題名 / Title

高周波・光スピンデバイスのための磁性酸化膜開発

利用した実施機関 / Support Institute

東北大学 / Tohoku Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion

キーワード / Keywords

磁性酸化物, 磁性ガーネット, 磁気光学,スピントロニクスデバイス/ Spintronics device,電子顕微鏡/ Electronic microscope,集束イオンビーム/ Focused ion beam


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

後藤 太一

所属名 / Affiliation

東北大学 電気通信研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

今野豊彦,伊藤俊

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

TU-504:超高分解能透過電子顕微鏡
TU-518:薄膜断面試料作製装置
TU-508:集束イオンビーム加工装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

磁性絶縁材料を使用して、新しいスピントロニクスデバイスおよび磁気光学デバイスを開発している。磁性材料であり、かつ、絶縁材料であるため、電気は流さず光や、高周波信号を制御することができるため、次世代の低消費電力デバイスの基礎材料となることが期待されている。

実験 / Experimental

イオンビームスパッタ法を用いて、磁性ガーネット基板上に、ヘテロエピタキシャル成長した磁性絶縁材料を透過電子顕微鏡を用いて結晶構造の観察を行った。レーザー結晶上に磁性材料を成長させた。膜も基板もガーネット構造を持つものの、構成する元素が大きく異なり、格子定数が異なるため、ヘテロにエピタキシャル成長できるかどうかは明らかではない条件で実験を行うこととなった。透過電子顕微鏡像により、格子定数のマッチング率を明らかにすることを狙った。透過電子顕微鏡の撮影前に、磁気特性、磁気光学特性、光学特性をすべて測定しておいた。さらに、スピン波デバイス応用を目指したプロジェクト向けに、単結晶磁性膜の膜厚を正確に測定するために、FIBーSEMを用いて断面観察を行った。

結果と考察 / Results and Discussion

基板にはイットリウム・アルミニウム・ガーネット、膜にはイットリウム鉄ガーネットを用い、ヘテロエピタキシャル成長に成功した。成長した膜は、柱状に欠陥が入ったことで、垂直方向に磁気容易軸が形成された。一部、ストイキオメトリから外れた組成を示しており、これが原因で、磁化および磁気光学効果の大きさに低下が見られた。本結果は、論文(Applied Physics Letters)にまとめて報告した。TEMを用いたことで、新しい知見が得られており、放射光施設を用いたナノテラスでの実験も行うことを予定している。もう一方のプロジェクトでは、FIBを用いて正確に磁性絶縁体層の膜厚を測定できたことで解析がうまくいった。この結果を論(Physical Review Applied)にまとめて掲載した。二次元マグノニック結晶というスピン波を周期構造で自在に操作する構造を実証するに至っている。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Yuki Yoshihara, Growth of magnetooptical cerium-substituted yttrium iron garnet on yttrium aluminum garnet using ion beam sputtering, Applied Physics Letters, 123, (2023).
    DOI: 10.1063/5.0161296
  2. Kanta Mori, Orientation-dependent two-dimensional magnonic crystal modes in an ultralow-damping ferrimagnetic waveguide containing repositioned hexagonal lattices of Cu disks, Physical Review Applied, 21, (2024).
    DOI: 10.1103/PhysRevApplied.21.014061
  3. Hibiki Miyashita, Vacuum laser annealing of magnetooptical cerium-substituted yttrium iron garnet films, Optical Materials, 146, 114530(2023).
    DOI: 10.1016/j.optmat.2023.114530
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:1件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:1件

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