利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.27】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23TU0058

利用課題名 / Title

新規機能性材料としてナノ構造体の生成

利用した実施機関 / Support Institute

東北大学 / Tohoku Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed

キーワード / Keywords

アモルファスガラス, イオン注入,イオンミリング/ Ion milling,ナノ粒子/ Nanoparticles


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

山田 智子

所属名 / Affiliation

大阪府立大学 工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

伊藤俊

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

TU-518:薄膜断面試料作製装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

金属ナノ粒子はバルク金属とは異なり、その結晶の周期性の低さから量子効果と呼ばれる電子状態に特異な性質を示す場合がある。その性質から金属ナノ粒子は新規機能性材料として注目を浴びている。一般的な固体内ナノ粒子の合成の1つとして、イオン照射する方法が挙げられる。しかし、イオン照射の条件はターゲットとイオン種によって条件が複雑であり、統一的な解明がまだなされていない。その中でも特に透明なアモルファスガラス内にイオンを注入し、合成したナノ粒子の形状や構造を精密に制御した例は少なく、イオン注入によって固体内での合金ナノ粒子の合成例も極めて少ない。本研究では、イオン注入法でSiO2固体内に直接複数の異なる金属イオンを注入し、ナノ粒子を複合化させることを目的とし、生成粒子の状態や特性について評価を行なっている。これまで、同一試料への二重照射によって複合粒子を合成する際にAgとNiの場合、各イオンを照射注入する順序を入れ替えることで生成複合粒子の光学特性などに違いが現れることがわかった。

実験 / Experimental

ターゲット材は透明なSiO2(アモルファス)を使用し、量子科学技術研究開発機構高崎研究所TIARAのイオン注入器にて注入後のイオンの堆積深さが等しくなるようにエネルギーを調整し、380 keVのAgイオンと200 keVのNiイオンを同一ターゲットに対して室温で照射を行なった。イオン注入された金属ナノ粒子の評価は、TEMを使用し行った。また観察用サンプルの薄片化は、広視野の確保およびTEMサンプル作製中のダメージ軽減を目的としイオンスライサーを用い行った。

結果と考察 / Results and Discussion

熱平衡化ではAgとNiは相分離する。しかし、熱処理をせず、イオン注入だけでナノ粒子を合成するとガラス内でAgとNiのナノ粒子が複合化し、その状態をとどめることができる。今回はAgNiの濃度比を変えることで複合化したナノ粒子にどのような違いがあるか確認した。どの試料においても、AgとNiが複合化していることがわかった。また、Agの濃度が高くなるにつれて粒子が成長していることがわかった。Agの方がNiより原子が集合しやすく、粒子が大きく成長することが以上の結果よりわかった。Agの注入量が一定量を超えると、粒子が球状でなくなることも判明した。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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