【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.25】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23IT0057
利用課題名 / Title
単一PSI分子の光電流特性とITO基板上に規則正しく配置されたAuナノロッドによるプラズモン増強と偏光依存性
利用した実施機関 / Support Institute
東京工業大学 / Tokyo Tech.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)計測・分析/Advanced Characterization
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
電子顕微鏡/ Electronic microscope,光デバイス/ Optical Device,電子線リソグラフィ/ EB lithography
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
神戸 遼太
所属名 / Affiliation
東工大 VACHA研
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
IT-038:電子ビーム露光装置
IT-002:電子ビーム露光データ加工ソフトウェア
IT-007:走査型電子顕微鏡
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
太陽電池やバイオセンサーなどの光デバイスの性能を向上させるための手段として、金属ナノ粒子の局在表面プラズモン効果を応用することが研究されている。金属ナノ粒子の一つである金ナノロッドにはプラズモン効果の偏光依存性が存在するため、その性質を活かすためにはデバイス上に等方向、等間隔に配列させる必要がある。本研究では電極上にPMMA層を製膜し、金ナノロッドが一つ入る穴を複数空け、電気泳動法を用いることで、金ナノロッドの大面積直接配列を試みた。本報告書は課題番号23IT0043の続きである。
実験 / Experimental
サイクリックボルタンメトリー試験を作用電極-対電極が、金-ITO、金-金、ITO-ITOの三条件で実施したところ、ITO-ITO条件が基板表面での反応が一番少なく電気泳動実験に適していることがわかったため、本課題では23IT0043とは異なり、作用電極としてITO基板を用いた。実験方法に関しては概ね23IT0043と同様であり、異なる点として、作用電極をITO基板に変更したこと、対電極はITO基板のみを用いていること、金ナノロッドはpoly-DADMACによって正に帯電したもののみを使用したことが挙げられる。
結果と考察 / Results and Discussion
正に帯電した金ナノロッドの分散液(NaCl 0.5 mM)に-4 Vの電圧を10秒印加した場合。パターン全体に規則的な配列が確認された。またパターン全体で散乱光強度の偏光依存性が確認されたことから、金ナノロッドがITO基板に対して横に配列していることが考えられる。一方でパターン境界付近ではダメージが多く確認され、パターン中央部でも少し確認された。AFM(原子間力顕微鏡)を用いて表面を観察したところ、電子ビームリソグラフィーで空けられた穴を中心にして隆起していることがわかった。
正に帯電した金ナノロッドの分散液(NaCl 0.5 mM)に-3 Vの電圧を60秒印加を4回行った場合。同様にパターン全体に規則的な配列が確認された。-4 Vの条件とは異なりパターン上でのダメージは見られなかった。一方で散乱光強度の偏光依存性は、パターン境界部では観察されたものの、パターン中央部では観察されなかった。これはパターン中央部では金ナノロッドが向きをランダムにして配列していることを意味する。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 正に帯電した金ナノロッドに-4 Vの電圧を10秒印加したときの暗視野観察像。
図1 正に帯電した金ナノロッドに-3 Vの電圧を60秒×4回印加したときの暗視野観察像。
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
H.Zhang, Y.Liu, A.Ashokan, C.Gao, Y.Dong, C.Kinnear, N.Kirkwood, S.Zaman, F.Maasoumi, T.D.James, A.Widmer-Cooper, A.Roberts, P.Mulvaney. A General Method for Direct Assembly of Single Nanocrystals. Adv. Opt. Mater. 10, 14, (2022).
宮本恭幸先生、梅本先生(東京工業大学)に感謝します。
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件