利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.07.05】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT1214

利用課題名 / Title

TopoMEMSによる次世代計算機2023

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者)/Internal Use (by ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

スパッタリング/ Sputtering,リソグラフィ/ Lithography,電子線リソグラフィ/ EB lithography,膜加工・エッチング/ Film processing/etching,ダイシング/ Dicing,ボンディング/ Bonding,ワイヤーボンディング/ Wire Bonding,トポロジカル量子物質/ Topological quantum matter,量子コンピューター/ Quantum computer


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

安永 竣

所属名 / Affiliation

東京大学大学院工学系研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

三田吉郎,江澤雅彦,三角啓,肥後昭男

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

水島彩子,澤村智紀,坪井伸二,落合幸徳

利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-500:高速大面積電子線描画装置
UT-604:高速シリコン深掘りエッチング装置
UT-602:気相フッ酸エッチング装置
UT-902:マニュアルウエッジボンダ―
UT-851:機械特性評価装置


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

量子コンピューティング分野における次世代の計算手法として、物質が持つトポロジカルな状態をハミルトン演算子として表現し、演算に用いるトポロジカル計算機が期待され、幅広い系で研究が行われている。我々のチームは科研費(基盤A)分担グループとして、ハミルトン演算子行列を電気回路部品の集合体として捉え、電気回路のトポロジーによって演算を行う手法の探索を担当しており、三田グループは集積MEMSの専門家として計算機に必要な理想の可変素子・MEMS素子を「TopoMEMS」と命名し、精力的に研究開発を行っている。 特に本研究では、圧縮応力を加えて座屈(バックリング)状態としたMEMS板ばねを、0/1を表現する二値メモリとして捉え、それらを多数並べて相互作用により演算させようとする試みを行なっている。イジング演算という最適化問題を解くデバイスへの応用を理論提案[1]するとともに、デバイス試作を行なって最初の成果を得た[2]。

実験 / Experimental

本年度の研究では、櫛歯形状のマイクロアクチュエータとMEMS板ばねとそれらを支持するアンカー付き板ばね構造を直列(一次元)に並べたデバイスを設計試作した。構造の試作は、厚さ20/2/627 μmのSOI基板を用い、東京大学ARIM微細加工部門の標準的プロセスである、高速大面積電子線描画装置(F5112+VD01)と専用厚膜レジストでパターンを描画し、深掘りエッチング装置MUC-21 ASE-Pegasusによるボッシュプロセスで構造を作製し、気相フッ酸エッチング装置によって可動部をリリースしたのち、専用の基板へのボンディングを行なって計測した。図1にMEMSばねによる3直列イジングマシンの顕微鏡写真を示す。利用した装置は、主な設備欄に記入したものに加えて、ステルスダイサー(UT-900)、マニュアルウェッジボンダー(UT-902)、8インチプローバー(UT-850)、汎用平行平板RIE装置 10NR(UT-606)がある。

結果と考察 / Results and Discussion

作製した構造の機械的動作を、振動解析装置(MSA-500)の観察下で静電アクチュエータ駆動することで確認した。具体的には、隣接する構造同士に静電引力が働く条件下で、ばねの状態が左⇔右にフリップすることを3連の構造で確認した。成果はトップレベルの国際学会(Transducers)にて口頭報告をした。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 MEMSばねによる3直列イジングマシンの顕微鏡写真


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
  1. Motohiko Ezawa, Universal quantum computation based on nanoelectromechanical systems, Physical Review Research, 5, (2023).
    DOI: 10.1103/PhysRevResearch.5.023130
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. Shun Yasunaga, Motohiko Ezawa, Keigo Tsuji, Kei Misumi, Tomoki Sawamura, Shinji Tsuboi, Ayako Mizushima, Yukinori Ochiai, Akio Higo, and Yoshio Mita, "Operation of arrayed logic elements for MEMS Ising machine," The 22nd International Conference on Solid-state Sensors, Actuators and Microsystems (Transducers 2023), 26-29 June, Kyoto, Japan, W2D.01 (2023.6.28)
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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